11日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。
■株式見通し:“打ち止め”に過剰反応、底堅さ意識ならアク抜け感も
■外資系証券の注文動向:差し引き1570万株の売り越し
■前場の注目材料:フィット<1436>が東証マザーズに新規上場
■“打ち止め”に過剰反応、底堅さ意識ならアク抜け感も
11日の日本株市場は不安定な相場展開になりそうだ。欧州中央銀行(ECB)は10日の
理事会で包括的な金融緩和策を決めた。市場予想を上回る内容となり、評価材料にな
ろう。ただし、ドラギ総裁は現状の見通しに基づくと、さらなる利下げは想定してい
ないと発言したことが“打ち止め”という格好で嫌気される場面もみられていた。シ
カゴ日経225先物(6月限)の清算値は大阪比165円安の16545円となったが、一時
16320円まで急落する場面もみられている。
“打ち止め”に過剰反応したように映る。NYダウについては引けにかけて下げ幅を縮
めており、織り込み済みとの見方から、シカゴ先物にさや寄せした後は底堅さが意識
される可能性はある。昨日の上昇部分はあっさり帳消しにしてくるものの、あくまで
もインデックスに絡んだ商いが中心であり、需給不安にはつながらないと考えられ
る。
また、25日線や一目均衡表の転換線などのテクニカル面でのサポートも意識される。
先物オプションSQが通過することで、動きやすくなる面もあるだろう。来週14、15日
には日銀金融政策決定会合、15、16日にはFOMCを控えている。金融安定化に向けた各
国の舵取りに市場の関心が集まりやすく、下値の堅さが意識される場面では、アク抜
け感が台頭することも考えられる。
とはいえ、ナイトセッションで16320円まで下げており、通常取引でも意識されやす
くなる。そのため物色の流れとしては中小型株やテーマ株等、需給良好な個人主体の
資金が向かいやすい銘柄等により集中しやすいとみられる。
(株式部長・アナリスト 村瀬智一)
■外資系証券の注文動向:差し引き1570万株の売り越し
朝の外資系証券5社経由の注文状況は、売り2370万株、買い800万株、差し引き1570万
株の売り越しとの観測。なお、直近5日分の注文動向は以下の通り。
3月4日(金):1850万株の買い越し
3月7日(月):1320万株の買い越し
3月8日(火):430万株の売り越し
3月9日(水):1330万株の売り越し
3月10日(木):490万株の買い越し
■前場の注目材料
・NY原油(37.84、-0.45)、NYダウ(16995.13、-5.23)
・欧州中央銀行 大規模な追加緩和を決定、ドラギ総裁 さらなる利下げは否定
・フィット<1436>が東証マザーズに新規上場
・積水ハウス<1928>の16年1月期営業利益はコンセンサス下振れ
☆前場のイベントスケジュール
<国内>
・08:50 1-3月期法人企業景気予測調査
・08:50 1月マネタリーサーベイ
<海外>
・特になし
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