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戦略コンサルティング・ファームの面接攻略法
【第2回】 2016年3月23日
著者・コラム紹介バックナンバー
ビクター・チェン

戦略コンサルティング・ファーム面接の
7つの評価法案内

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戦略コンサルティング・ファームは「ケース・インタビュー」という言葉を、志望者の問題解決能力を評価する方法を指す用語として使っている。各ファームは伝統的なケース・インタビュー形式に独自の工夫を凝らして修正を加えてきたので、多数の異なる形式が生み出されている。
主要な戦略コンサルティング・ファームは現在、主に次の7つの評価方法で志望者を評価している。今回は、新刊『戦略コンサルティング・ファームの面接攻略法』の中から、7つの評価方法を紹介する(翻訳:渡部典子)。

7つの評価方法とは?

(1)数的処理テスト
(2)推定問題
(3)能動的ケース・インタビュー
(4)受動的ケース・インタビュー
(5)記述式ケース・インタビュー
(6)グループ・ケース・インタビュー
(7)プレゼンテーション形式のケース・インタビュー

 (1)と(2)は数的能力を見るもので、(3)から(7)は架空の設定を用いたケース・インタビューで志望者のコンサルタントとしての資質を評価する。

 数的能力評価は正確にはケース・インタビューではないが、ここでは以下の2つの理由により一緒に考えていく。

 第1に、数的能力評価のテストは、ミニ・ケースに組み込まれるかたちで出題されることが多い。第2に、インタビュアーは架空の設定におけるケース・インタビューの途中で、志望者の数的能力を試すことがある。戦略コンサルティング・ファームはこの2つの評価方法を絡ませながら出題するので、読者はどちらにも慣れ親しんでおく必要がある。

 これから紹介するのは、さまざまなケース・インタビュー形式の概要である。それぞれのタイプの対処法の詳細は本書第3章以降で説明するが、まずは以下の概要を読むことによって、インタビュアーが志望者に何を求めているのか、大まかにつかむことができるだろう。

地頭力が試される
数的能力評価

(1)数的処理テスト

 数的処理テストには、単純な数学やデータ分析、定量的な論理思考を試す問題が含まれる。たとえば、単純な数学では四則計算や比率計算が出題され、データ分析では図表やグラフを読み解き、そこから結論を導き出す問題が出される。

 定量的な論理思考を試す問題では、「図表Aが正しいとすれば、製品Aの売上高は10%増加し、製品Bの売上高は15%減少することになる。この場合、クライアントが現在検討している意思決定は正しいか」というように、言葉や数値データを用いて志望者の論理思考能力を評価する。

 主要な戦略コンサルティング・ファームの中で、最初にこのタイプの問題を採用プロセスに取り入れたのはマッキンゼーだ。これは「マッキンゼーPST」(PSTは”Problem Solving Test”の略)と呼ばれるもので、本書第2章でその詳細について説明する。

 マッキンゼーPSTに代表される数的処理テストでは、限られた時間内で多くの計算をすることが要求されるため、志望者は基礎的な計算を「速く」かつ「正確に」行う練習を積む必要がある。読者が手軽にこれらのスキルを高められるように、ケース・インタビュー対策の計算ドリルを作成した(www.caseinterview.comで無料で利用可能。ただし英語)。

 このドリルでは、問題を解くのにかかった時間を計り、それを他の志望者たちの所要時間と比較することによって、自分が上位何%(上位25%以内、50%以内、75%以内など)に位置しているかを知ることができる。

(2)推定問題

 推定問題は、志望者の基礎的な計算能力と、複雑な定量データを単純化するために仮定を置く能力を試す手法である(訳注:日本では一般的に「フェルミ推定」として知られているタイプの問題形式)。

 推定問題では、志望者は実際の調査資料やグーグル検索などは用いずに、紙とペンだけである数字を推定することが求められる。通常は、特定の市場規模を推定する問題が出されることが多い。以下に、推定問題の例をいくつか示そう。

●一般的なガソリンスタンドでは、毎週何ガロンのガソリンが給油されているか。

●1980年の時点にさかのぼり、モトローラが携帯電話と呼ばれる新製品を開発したと仮定してほしい。この新製品の当初3年間の売上高は、惨憺たる状況となっている。この後、携帯電話の生産コストと販売価格が低下していくにつれて、1985年の売上高はどのような数字になっているか、その根拠とともに推定せよ。

●平均的な大きさの山を、平均的な大きさのダンプカーで10マイル(約16km)移動させる場合、どれくらいの時間がかかるか。

 こうした奇妙な問題が本当に出題されるのかと疑問に感じるかもしれない。そう思うのも無理はないが、私自身もインタビュアーたちからこうした問題を出題された。あなたが同様の質問をされることは間違いないだろう。

 この問題で使えるのは、紙とペンだけであることを思い出してほしい。インターネットやグーグル検索、電卓を使用することはできない。さらに厄介なことに、インタビュアーはあなたが5~7分程度で問題の答えを出すことを求めている。課せられている制約を考えれば、これらの問題に「正確な」答えを出すことは不可能である。しかし、いくつかの単純化するための仮定を置き、その仮定に基づいて正しく計算を行えば、答えを「推定する」ことは可能である。

 インタビュアーがこの種の問題を出す目的は、あなたが「どのような思考プロセスで」答えを出しているかを評価することであり、あなたの答えがどれくらい正しいか(実際の数字に近いか)は、さほど大きな問題ではない。

 あなたは、戦略コンサルティング・ファームが志望者たちを苦しめるために、この種の奇妙な問題を出していると考えるかもしれない。私も最初はそう感じた。しかし、マッキンゼーで働き始めるとすぐに、クライアントがコンサルタントに同様の質問を常に投げかけてくることを私は実感した。採用プロセスでこの種の難題に耐えなければならないことで誰かに文句を言うのならば、その相手はクライアント企業なのだ。

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ビクター・チェン

元マッキンゼーのコンサルタント。スタンフォード大学を卒業後、8つの戦略コンサルティング・ファームの面接を経て、マッキンゼー、ベイン、モニター、L.E.K.、A.T.カーニー、オリバー・ワイマンの6社からオファーを受け、マッキンゼーに入社。トップ10パーセントに位置づけられる実績を上げ、最年少で昇進、トップ・コンサルタントとして活躍すると同時に、多くの入社希望者を面接するケース・インタビュアーを務めた。現在は独立してInc.500リストに掲載される企業のCEOのアドバイザーを務める一方、コンサルティング会社への入社を目指す人々を支援する会社を経営している。世界100カ国以上の戦略コンサルタント志願者が注目するウェブサイト(www.caseinterview.com)を運営している。
 


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