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吉田恒のデータが語る為替の法則

ユーロ反発は終盤へ。1.35ドルに届くか?
相場を左右する今週の重要イベントとは?

吉田 恒
【第89回】 2010年7月21日
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 ユーロがついに1.3ドルまで値を戻してきました。

 これで、ユーロ安の「スピード違反」、そして短期的な「下がり過ぎ」はほぼ修正されたようです(「金融混乱行き過ぎの修正が始まった!豪ドル、ユーロ、米ドルの反発のメドは?」を参照)。

歴史的なユーロの「下がり過ぎ」は
ほぼ解消された

 ユーロは一時1.18ドル台まで下落しましたが、その中で、90日移動平均線からのカイ離率はマイナス10%程度まで拡大しました。

 ユーロで、90日移動平均線からのカイ離率がマイナス10%を完全に超えたことは、これまでに一度しかありませんでした。

 その意味では、今回は史上第2位のユーロ「下がり過ぎ」で、かなりのユーロ安「スピード違反」の可能性があったのです。

 7月19日(月)現在、ユーロ/米ドルの90日移動平均線は1.28ドル程度にあります。

 足元で1.3ドル近辺までユーロが値を戻してきたことにより、ついに90日移動平均線を回復したことになります。短期「下がり過ぎ」は修正されたのです。

 ただ、経験的には、90日移動平均線を回復してすぐに短期「下がり過ぎ」の修正が終わるわけではありません。下落方向へ行き過ぎた動きの修正は、「振り子の原理」が働いて、勢い余ると、今度は90日移動平均線を上回ることも珍しくありません。

 それでは、「下がり過ぎ」が修正されたユーロは、90日移動平均線を上回ることによって、どこまで「上がり過ぎ」拡大へと向かうのでしょうか?

ユーロ/米ドルはどこまで反発するのか?

 経験的には、この90日移動平均線が示す短期の「行き過ぎ」は、中長期トレンドと逆行するのに限界があります。

 要するに、ユーロがまだ中長期的に下落トレンドにあるなら、短期的にも「上がり過ぎ」が拡大し、90日移動平均線からのカイ離率がプラス幅を大きく拡げる可能性には自ずと限度があるということです。

      ユーロ/米ドル 日足

 ユーロはこの半年余りの間に、1.5ドルから1.2ドル割れへと急落しました。これでユーロ安は終わったのでしょうか?

 そうではなく、あくまでユーロ安トレンドの中での調整的な反発局面に過ぎないなら、90日移動平均線からのプラスのカイ離率拡大は限られたものになるでしょう。

 経験的に、ユーロ/米ドルの90日移動平均線からのカイ離率がプラス10%を超えた例はほとんどなく、5%を超えたケースもマレです。

 90日移動平均線が1.28ドルに位置するとして、カイ離率プラス5%は1.34ドル、カイ離率プラス10%は1.4ドルという計算になりますから、中長期のユーロ安トレンドに変化がないならば、ユーロの反発はせいぜい1.35ドル前後までではないでしょうか?

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吉田 恒 

立教大学文学部卒業後、自由経済社(現・T&Cフィナンシャルリサーチ)に入社。財務省、日銀のほかワシントン、ニューヨークなど内外にわたり幅広く取材活動を展開。同社代表取締役社長、T&Cホールディングス取締役歴任。緻密なデータ分析に基づき、2007年8月のサブプライムショックによる急激な円高など、何度も大相場を的中させている。2011年7月から、米国を本拠とするグローバル投資のリサーチャーズ・チーム、「マーケット エディターズ」の日本代表に就任。


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