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金融市場異論百出

現実味を帯びる日銀法の改正
米国は本当にお手本となるか

加藤 出 [東短リサーチ取締役]
2010年7月22日
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 参議院選挙で躍進したみんなの党は、日銀法改正案を臨時国会で提出する予定だと報じられている。FRB(米連邦準備制度理事会)を規定している連邦準備法のように、金融政策の目的に「雇用の最大化」を盛り込む方向で議論するという。

 選挙前に民主党のデフレ脱却議連も日銀法を改正して「雇用の最大化」を入れるべきと主張していた。民主党とみんなの党が合意すれば、日銀法改正案が成立する可能性が高まってくる。

 では、FRBに課せられている「雇用の最大化」とは何なのか、あらためてポイントを整理してみよう。

 1970年代の「グレート・インフレーション」および「スタグフレーション」の時代を経て、米議会は77~78年に連邦準備法を改正した。それにより、FRBの使命は、「最大雇用」「安定した物価」「穏やかな長期金利」とされた。

 3つ目の「穏やかな長期金利」は、インフレ率を低下させなければ実現できない。このため、FRBが目指すべき目標は「最大雇用」と「安定した物価」の2つだと現在では一般的に解釈されている。

 しかしながら、FRB関係者は、「最大雇用」という文言に居心地の悪さを感じているようだ。FRB内では「最大雇用」を「サステナブルな最大雇用」と“翻訳”して解釈することがコンセンサスになっている。

 自然失業率を下回る失業率が続く状態はインフレを招き、経済を不安定化させるからだ。

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加藤 出 [東短リサーチ取締役]

東短リサーチ取締役チーフエコノミスト。1988年4月東京短資(株)入社。金融先物、CD、CP、コールなど短期市場のブローカーとエコノミストを 2001年まで兼務。2002年2月より現職。 2002年に米国ニューヨークの大和総研アメリカ、ライトソンICAP(Fedウォッチ・シンクタンク)にて客員研究員。マネーマーケットの現場の視点から各国の金融政策を分析している。2007~2008年度、東京理科大学経営学部非常勤講師。2009年度中央大学商学部兼任講師。著書に「日銀は死んだのか?」(日本経済新聞社、2001年)、「新東京マネーマーケット」(有斐閣、共著、2002年)、「メジャーリーグとだだちゃ豆で読み解く金融市場」(ダイヤモンド社、2004年)、「バーナンキのFRB」(ダイヤモンド社、共著、2006年)。


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