リクルート住まいカンパニーが運営する「SUUMO(スーモ)カウンター」のWebサイトに新しいキャラクター「スミヨ」が登場した。人と会話するように住まいの相談に答えてくれるという。

 緑色の不思議なキャラクターで有名な、リクルート住まいカンパニーが提供する不動産・住宅情報サイト「SUUMO(スーモ)」。リクルートグループがこの分野で長い実績を持つことは多くの人が知るところ。40年前に創刊した「住宅情報」に始まる紙メディアに加え、ネットの情報メディアも誰でも一度は利用したことがあるはずだ。

西 仁史
リクルート住まいカンパニー
営業統括本部 事業推進1部
カウンター事業推進グループ
兼 企画統括室 事業推進1部
横断事業推進グループ
グループマネジャー

 同社では現在、「スーモカウンター」も全国117店舗で展開している。これは、新築マンションと注文住宅の相談に乗ってくれるリアルな相談カウンターだ。リアル店舗を展開している背景について、同社の西仁史氏は次のように語る。

「カウンターは第3のメディアです。相談したいニーズをお持ちのお客さまやWebサイトでは情報量が多過ぎて分からないというお客さまに向けて、専門のアドバイザーがサポートしています」

 実際にスーモカウンターを利用するユーザーは増えており、2005年9月にサービスを開始して以来、延べ14万組以上が利用しているという。

人と同じような感覚で
24時間いつでも対応

 今回、このスーモカウンターのWebサイトに、親しみやすい女性のアニメキャラクター「スミヨ」が加わった。スミヨは人間と会話するように、テキストベースのメッセージでやりとりできるAi(Artificial Intelligence)である。裏に人がいるのではと錯覚するような感覚で、質問や店舗の検索などさまざまなサービスが受けられ、雑談の相手までしてくれる。

「リアル店舗の営業時間は限られています。住まいを考える方の多くはお子さんのいる家族で、土日も含めて時間が調整しづらいため、営業時間を延長してほしいという声が多くありました。そこで、Aiのスミヨで、24時間いつでも問い合わせ対応ができるようにしたのです」(西氏)

 実は今回の取り組みには布石があった。先行して実施した人型ロボット「Pepper」の導入だ(※1)。昨年4月から一部店舗で試験導入し、好評だったために12月から本格導入が始まっている。「店頭での集客用に導入したのですが、予想以上に反響がありました。特に子どもさんに大好評で、親御さんもそれにつられて足を止めてくれるのです」と西氏は話す。

90文字以内の文章を入力することで、「スミヨ」が返答し、さまざまな情報を提供してくれる

 Pepperの成功を支えたのが、スミヨにも使われている自然言語処理技術に基づいた独自の会話エンジン「TAISHI(※2)」である。音声による自然な会話でのやりとりが人間とロボットの距離を縮め、Pepperの言葉に涙ぐむ人までいたという。

※1 ソフトバンクロボティクスのPepperを活用し、自社で独自に実施しているもの。
※2 現在商標出願中。