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オーナー・ファミリー経営の中堅企業 だからこそ、ニュービジネスを生み出せる

オーナー・ファミリー経営の中堅企業
だからこそ、ニュービジネスを生み出せる

著者・コラム紹介
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中堅・中小企業が躍進するための必要条件とは、経営者が「先見性・判断力・機動力」を持つことだと語るのは、日本ニュービジネス協議会連合会副会長・政策提言委員会の委員長を務める、早稲田大学名誉教授の松田修一氏だ。中堅・中小企業経営者が狙うべき市場はどこにあるのか、グローバル化が進む世界の中で事業をどう展開していくべきなのか、松田氏に聞いた。

早稲田大学名誉教授
松田修一氏

まつだ・しゅういち 1943年生まれ。早稲田大学商学部卒、早稲田大学大学院商学研究科博士課程修了、商学博士。研究分野は経営監査論・技術ベンチャー輩出論。日本ベンチャー学会(元会長・理事)、日本ニュービジネス協議会連合会副会長、政策提言委員会委員長、日本ベンチャー大賞審査委員長などを歴任、主な著書に『コーポレート・ベンチャリング』(翻訳:ダイヤモンド社)、『ベンチャー企業の経営と支援』(日本経済新聞社)他多数。

 現状の日本経済の枠組みの中で、ベンチャーをはじめとする中堅・中小企業には、どのような役割が求められているのか。松田氏はまず中堅・中小企業を取り巻く環境をこう説明する。

 「民間からの出資を中心に、今イノベーションに投資するリスクマネーが去年の2倍ほど集まっています。中でも、事業会社が自社の戦略目的のために行うCVC(コーポレート・ベンチャー・キャピタル)が活発になっています。大企業がファンドにお金を出しながら、独創的な技術やアイデアを持つベンチャー企業と連携しようとしているのです。

 率直に言えば、大企業は今、時代を乗り切る(サーフィンする)ための方向性を見いだせず、自らが開発もできず、知恵も出せない状況にあるともいえます。これは大企業にとっては情けない状況なのですが、ベンチャー・ファミリー企業にとっては朗報であり、積極的にニュービジネスに挑戦する機会が訪れているともいえるのです」

先見性・判断力・機動力が
成功の条件

 少子高齢化が進む日本市場で、これまでと同じビジネスモデルでは成功はおぼつかない。海外の成長ゾーン(市場)で成長できる、内発的な新しいビジネスモデルを構築していかなければ、日本の構造的なハイコスト社会をカバーリングすることは不可能なのだ。

 だが、ニュービジネスを起こせるのは、大企業ではなく中堅・中小企業だと松田氏は言う。既得権益に縛られた大企業では、イノベーションを起こす人材が育たないからだ。

 「その点、オーナー・ファミリー企業は、自ら決断し企業存続の責任を負わなければいけないので、責任感が違います。中堅・中小企業は、意思決定のスピードが早く、時代をサーフィンする能力が高く、社内が一枚岩になれるので機動力もあります。

 私が考える成功する中堅・中小企業経営者の条件としては、時代の流れを俯瞰できる『先見性』と、タイミングを計って責任権限を発動できる『判断力』、そして活力ある組織を束ねられる『機動力』です。その資質を兼ね備えた経営者が事業構想力を持つことで、ニュービジネスが生まれるのです」

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