戦略コンサルティング・ファームで行われている一般企業とはかなり異なる面接試験であるケース・インタビュー。なぜ、このようなスタイルの面接が必要なのか、その理由を知ることは、ケース・インタビュー攻略のためにも、非常に重要だ。新刊『戦略コンサルティング・ファームの面接攻略法』の中から、その理由を明快に解説しよう(翻訳:渡部典子)。

ケース・インタビューが
面接で用いられる理由

 理解すべきは、採用プロセスにおいて「なぜそれが行われるか」ということである。背後にある動機や目的がわかれば、コンサルティング・ファームが志望者に何を求めているかをより深く理解し、それに備えることができるだろう。

 熱意あふれる多くの志望者たちが複数の戦略コンサルティング・ファームから採用通知を勝ち取る手助けをしてきた私のもとには、見事に成功を収めた志望者たちから頻繁に感謝のメールが送られてくる(一部はウェブサイトに掲載している)。こうした成功した志望者のことを、私は「FFYs」(Future1 First Years)と呼んでいる。彼らのメールには、ケース・インタビューを通過するのに、私のどんなアドバイスが役立ったかが書かれている。たとえば次のようなアドバイスである。

戦略コンサルティング・ファーム側の
動機を理解する

 FFYsからのメールで、役立ったアドバイスとしてよく挙がるのが、「戦略コンサルティング・ファームはなぜそれを行うのか」に関する私の説明である。たとえば、なぜインタビュアーはそのような質問をしてくるのか、なぜそのような評価手法を用いるのか、なぜ彼らはあなたの解答に対して厳しく突っ込んでくるのか、といったものだ。

戦略コンサルティング会社では<br />なぜ一風変わった面接をするのか?

 戦略コンサルティング・ファームが採用プロセスで行うことは年々変わるし、同じコンサルティング・ファームでもインタビュアーによって違うことがある。しかし、彼らがなぜ、どのような目的でそれを行うのかという点に関しては、何十年間も変わっていない。

 面接を何度か受ければ、奇抜な質問や、新しいタイプの非常に独特なケース問題などに出くわすことがあるだろう。それがいつ起こるのかを予測することは不可能であり、事前に準備することも無理である。しかし、戦略コンサルティング・ファームやインタビュアーの動機や目的、つまり彼らが何を求め、なぜそうするのかを理解していれば、それまで見たことのない問題を出されても、うまく対処できる可能性がはるかに高くなる。