まだ気づいていないから
大きなポテンシャルがある

長﨑 日本企業と欧米企業との比較において、企業価値へのこだわりはよく指摘されるポイントです。

デロイト トーマツ コンサルティング
グローバルマネジメント
インスティテュート
執行役員
伊藤 薫

邦銀・日系証券会社で資金為替業務を経験後、外資系グローバル企業にて、日本にアジア・トレジャリー・センター立上げを主導・統括。

伊藤 私が以前在籍していた米系企業の場合、経営者は投資家に対してコミットメントを表明し、財務をはじめ各部門にはその内容とひもづくKPIが示されていました。つまり、日常業務において、企業価値を意識させるような環境がつくられていました。いまでは、これは欧米企業では一般的な光景です。

長﨑 日本企業でそうした意識が薄いとしても、最近はやや変化しつつあるようにも感じます。ここ数年、輸出型のメーカーを中心に業績を大きく伸ばした日本企業は多くありますが、今後については中国景気の減速などマイナスの要素が多い。次の一手を模索している経営者にとって、当社が提供するような、TRM/GCMは有力な選択肢になりうるのではないでしょうか。

大垣 同感です。グローバル展開している日本企業の中で、TRM/GCMを意識している企業は一握りだと思います。「見えない非効率」なので、経営者や財務部門の「いまやるべきこと」に入ってこないのはやむをえない面もあります。逆側から見れば、これに取り組むことでライバルに対して先行することができる。財務の差別化という意味でも、大きなポテンシャルを秘めた領域だと思います。

伊藤 海外進出が増加し、リスク要因の複雑化した中、日本企業においてグローバルでの連結経営強化という方向が強く意識されるようになったことは確かだと思います。大切なのは、どのように連結ベースでのトレジャリーマネジメントを強化するかの戦略や方針であって、TRM/GCMはあくまでもその実行のツールに過ぎません。したがって、それをどのように活用するのか、しっかりと検討する必要があります。

長﨑 ありがとうございました。

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