スポーツファンの興味をそそる要素が満載なのに、今ひとつ話題になっていないのが、7月30日(今週金曜)に開幕する世界大学野球選手権だ。

 国際野球連盟(IBAF)が主催する大学生による各国代表が世界一を目指して戦う大会。第1回が行われた02年以降一年おきに開催され、今回で第5回を迎える。
過去4回の大会を振り返るとこうなる。

“ハンカチ王子”斎藤佑樹投手らが世界と戦う<br />日本初開催の世界大学野球選手権がスタート

 そして第5回の今回は日本(東京)で開催される。参加は8ヵ国だ。

地味な印象だが、実はハイレベルな
試合が楽しめる充実の大会

 参加国が少なく、数も一定しないのは野球が世界的に見て盛んではないうえ大学生で代表チームを作れる国は限られるからだ。といってマイナーな大会と見るわけにはいかない。毎回、上位争いをするアメリカ、キューバ、日本、韓国、台湾、カナダなどはプロ並みのレベルの高いプレーを見せる。選手たちも国代表としてのプライドを賭けて真剣に勝利を目指す。独特な緊張感が漂う見ごたえのある勝負が楽しめるのである。

 この大会で強さを発揮しているのは3連覇中のアメリカだ。プロによる世界一決定戦・ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)でのアメリカはMLB各球団の思惑(本業のリーグ戦を重視する姿勢や代表戦での所属選手の故障や疲労を恐れるといった)が絡み、ベストメンバーが組めるとは限らない。

 だが、アマチュアの大学生代表の場合は変な思惑抜きでベストメンバーを組んでくる。今大会のアメリカ代表も出場登録22人中13人が高校時代にMLBからドラフト指名を受けた逸材揃い。必勝を期して大会に臨んでくる。