客室数1052室。単一ホテルとしては日本最大級の規模を誇る福岡・ホークスタウンの「JALリゾート シーホークホテル福岡」が6月、「ヒルトン福岡シーホーク」としてオープンした。

 シンガポール政府投資公社(GIC)が保有する同ホテルは1995年の開業。これまでJALホテルズが運営を請け負っていたが、米ヒルトンが後を引き継いだ。

 この不況下、地方都市である福岡で大規模ホテルを運営するのは簡単ではないが、「オーナーがヒルトンを選んだいちばんの理由はグローバルネットワーク」(ヒルトン・ワールドワイドのオデット・リフシッツ副社長)。

 福岡は中国や韓国からの観光客が多数訪れている。グローバル展開に強みを持つヒルトンは香港や台湾、北京、上海など、近隣アジア諸国に販売拠点を持っており、現地の代理店とも付き合いがある。こうしたネットワークを活用して外国人観光客やビジネス客を増やすことで、稼働率アップを狙っているのだ。

 また、エグゼクティブラウンジやレストランなど公共スペースを中心に今後、約20億円をかけた改装も実施する予定だ。

 自前で土地や建物を持たず、運営受託をメインとするヒルトンが過去2年間、世界中で開業したホテル数は約630。リーマンショック以降の不況下にもかかわらず、同社史上最多の開業数だった。

 リフシッツ副社長は「日本にはノンブランドのホテルがたくさんある。当社のブランドとノウハウを入れて再生できるホテルはまだまだ数多い」と語る。

 日本でも今後、さらにヒルトンブランドホテルを増やしていく方針だ。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 津本朋子)

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