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みずほ証券vs東証、泥沼化する裁判が鳴らす警鐘

週刊ダイヤモンド編集部
2009年3月6日
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 みずほ証券と東京証券取引所の裁判が泥沼化している。株の誤発注トラブルで、みずほ証券が東証に対して巨額の損害賠償を求めている裁判だ。

 事の発端は2005年12月。新規上場した人材サービス会社、ジェイコム株の売り注文を受けたみずほ証券の担当者が、「1株を61万円」とすべきところ、誤って「1円で61万株」と東証の取引システムの端末に入力してしまったのだ。

 間違いに気づいたみずほ証券側はすぐさま注文の取り消し処理を行なうが、何度入力してもシステムが受け付けない。慌てて東証のシステム部門に電話で取り消しを依頼すると、「東証の端末からも取り消し処理はできない」との返答。みずほ証券はやむなく自己勘定で買い戻しの処理を行ない、結果、約407億円もの損失を抱えることになってしまった。

 当初は東証側もシステムの不備を認め、一定の金額を支払う方向でみずほ証券側と協議を続けていた。だが、東証が提示した額(約40億円といわれる)とみずほ証券側が求める金額に大きな開きがあり、話し合いは決裂。2006年10月、みずほ証券側は損失額に裁判費用などを加えた約415億円の損害賠償を求めて、東京地方裁判所に提訴した。

 裁判では、「取り消し注文に応じてそれを処理する義務、または取り消し処理ができる体制を整備する義務がある」とするみずほ証券側と、「1日平均600万件もの注文を処理してきたシステムには合理的な信頼性がある。まったく不具合のない完璧なシステムを提供する義務などありえない」とする東証側の主張が真っ向から対立。審理は2年以上に及び、今年2月27日にようやく判決が言い渡されるはずだった。

 しかし、直前になって東京地裁(松井英隆裁判長)は判決延期を発表。2月23日に両社の弁護団を呼んだ東京地裁は、審理の再開を内示したといわれる。一旦、結審したはずの裁判が再開されるのはきわめて異例のことだ。

賠償金は100億円以上か
大きすぎる丸投げの代償

 判決延期の理由を裁判所が明らかにしていないためさまざまな憶測を呼んでいるが、「システムの不備について東証の過失をどの程度認めるのか。その判断がつかなかったのでないか」と見る関係者が多い。

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