株式レポート
4月4日 13時45分
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マネックス証券

無難な雇用統計、ポジティブ・サプライズISM製造業指数が示すもの - 米国マーケットの最前線

非農業部門雇用者数(前月差) 3月 +21.5万人 市場予想 +20.5万人 前月 +24.5万人
失業率 3月 5.0% 市場予想 4.9% 前月 4.9%
平均時給(前年比) 3月 2.3% 市場予想 2.2% 前月 2.2%
労働参加率 3月 63.0% 市場予想 62.9% 前月 62.9%
ISM製造業景況感指数 3月 51.8 市場予想 51.0 前月 49.5

■堅調な一方サプライズもない雇用統計

1日に発表された3月分の米国雇用統計は、米国労働市場が引き続き堅調な回復を続けていることを示唆する内容だった一方で、今後の想定利上げ時期を早めるようなポジティブ・サプライズもなかった。

3月分の非農業部門雇用者数は、前月差21.5万人増と市場予想の20.5万人増およびマネックス証券予想の21万人増を小幅に上回った。2月分は+24.2万人→+24.5万人、1月分は17.2万人→16.8万人にそれぞれ小幅に修正された(グラフ参照)。また、失業率は前月の4.9%から5.0%に悪化したが、これは労働参加率の上昇(62.9%→63.0%)に伴うもので、これまで職探しを諦めていたために失業者にカウントされていなかった人々が職探しを再開したために失業者が増加したものと考えられる。ネガティブな失業率上昇ではない。

労働参加率が63%まで上昇したのは2014年3月以来2年ぶりである。徐々にイエレン議長の指摘する「労働市場の緩み」がなくなりつつあるのかもしれない。

また、将来の物価上昇圧力となるため注目度が高い従業員の平均時給は、前年比2.3%の上昇と市場予想は小幅に上回ったものの、前月からほぼ横ばいで、賃金上昇が加速するような兆しはなく巡航速度の上昇だった(グラフ参照)。

このように米国労働市場の着実な改善は確認できたものの、かといってこれまでの傾向から特段の大きな変化はなく、早期利上げが想起されるような雇用統計ではなかった。

発表直後こそ若干の金利上昇・ドル高が進む場面があったが、その後はほぼ発表前の水準までもどし、ドル円はむしろ円高に振れた。

■ポジティブ・サプライズのISM製造業指数

同じく1日に発表された3月のISM製造業景況感指数は、51.8と前月の49.5から一挙に2.3ポイント上昇し、景況感改善と悪化の境目となる50を昨年9月以来6ヶ月ぶりに回復した。前回のレポートでも記したように、各地区連銀の発表する先行指標が著しい改善を見せていたため50を上回ることはある程度予想されていたが、予想を上回る改善となった格好だ。

指数の内訳を見ると、ヘッドラインを構成する5項目のうち若干悪化した雇用を除く4項目が前月から改善した(グラフ参照)。中でも「新規受注」は前月の51.5から58.3へと大幅な改善を見せた。ヘッドラインの構成項目には入っていないが、「輸出」も46.5→52へと大幅に改善しており、原油価格の上昇とドル高の一服が製造業の景況感改善に寄与しているとみられる。


ISM製造業景況感指数の大幅改善は言うまでもなく米国経済、ひいては世界経済に対して非常にポジティブな材料だ。ISM製造業景況感指数は米国企業の利益と連動性が高いことが知られている。企業利益と連動性が高いということは中期的に見れば株価との連動性が高いということになる。グラフに示したのはISM製造業指数の「新規受注」とS&P500の月末株価の前年同月比変化率を示したものだ。両指標の連動性が高いことがご覧いただけるだろう。米国経済はようやく原油安とドル高という二重苦を乗り越え、力強い回復に向かいつつある。

■用語解説

雇用統計(米国)
米政府による雇用環境を調査した統計。発表される統計のなかでも、失業率(働く意欲がある人口に占める失業者の割合)と非農業部門雇用者数変化(農業従事者を除いた雇用者数の増減)が市場で注目されやすい。通常は月初の金曜日に前月分が公表される。

ISM景況感指数
ISM(Institute for Supply Management 供給管理協会)が発表する景気転換の先行指標である。供給管理協会が企業の担当者にアンケート調査を実施して作成しており、主要経済指標の中ではいち早く発表されることから景気の先行指標として重要視されている。数値が50を上回れば企業の景況感が好転、50を下回れば悪化していることを示す。製造業、非製造業それぞれ別に指標が発表される。

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(マネックス証券)


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