ヒットの法則がだいたいわかってしまった?

川村 受験についてのお話が何度か出ましたけど、ドワンゴでは、どんな学生や転職者を採用されているんですか?
川上 ちょっと変わった人や、欠点がある人が結果的に多いですね。

川村 きっと、川上さんは人間に興味があるんですね。
川上 小学生の頃だったと思うんですが、電車に乗ることがまだすごく特別なことで、そのときに、車両に乗っているおじいちゃんやくたびれた感じのおじさんとかを見て「きっとこの人たちの人生にはドラマがあるはずで、ここにいる人、全員の人生を知りたい」と思ってました。あれが僕の中の人間に対する好奇心の原点ですね。

川村 子どもの頃って、そういう感覚がありますよね。
川上 偉い人にはもちろん興味があるんだけど、もっとそうじゃない、本当に苦労している人の人生とか、考え方とか、世界観はどうなんだろうっていうのをずっと知りたいと思っていた。ただ、今はもう、だいたいわかったという感じです。

川村 わかってしまったんですか? 人間が何かということが?
川上 はい。突き詰めようとすれば突き詰められると思うんですけど、僕はだいたいわかればいいんで。冒頭の鈴木敏夫さんとの話に戻るんですけど、「ヒットすると思っていることを定石と違うやり方でやって、結果が知りたい」とは思っていますが。

川村 ヒットというのは、そもそも定石の中にはないように思います。人間というのはややこしい生き物で、見たことがないものが好きだから。
川上 ただ、まったく見たことがないものには興味を持てないように思いますね。