図書館に行こう!視野が広がる選書術

当時、読む本に困った僕がまず足を運んだのは、図書館とブックオフでした。

フリーのライターとして、出版社に近いところで仕事をしていると、この2つは出版業界の敵であるかのような物言いをよく耳にしますが、結局のところそれは出版社側の事情ですし、たくさん本を読む人にとっては、どちらも貴重な存在であることに変わりはありません。多読生活を実現しようと思ったら、ぜひ図書館と新古書店も活用していただきたいと思います。

僕もこれまで、本当によく図書館のお世話になってきました。本が無料で借りられるというのもすばらしいのですが、普通の書店では見かけないような本に出会えるということも大きな魅力です。

店頭スペースの限られている本屋さんは、なるべく「売れる本」だけを在庫として持っておきたいので、どのお店も似たような品揃えになりがちですし、目立つところには最新刊が並べられる傾向にあります。

一方、図書館は、司書の方が独自のセンスで選んだ本や、利用者がたまたま入荷を申請した本などもたくさん置いてあり、それぞれにかなり特色があります。

慣れてくるとだんだん気づいてくると思いますが、棚の分類の仕方も本屋さんとはけっこう違っていたりします。時間をかけて館内を歩いているうちに、「なんでこれまでこの本を知らなかったんだろう!」といいたくなるような1冊が見つかります。

思わぬところから、興味の枠が広がっていく機会を与えてくれるという意味で、毎週の読書のための何冊かは、図書館で借りることをおすすめします。

なによりも図書館には、そこにいるだけで落ち着ける不思議な雰囲気があります。ある意味では、それが最大の魅力だともいえるでしょう。