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ロマンポルノ復活でメガホンを取る名監督5人の期待度

降旗 学 [ノンフィクションライター]
【第156回】 2016年4月9日
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 男性諸君には喜ぶべき事案と言っていいだろう。というか、喜んでほしい。

 生誕45周年を記念して、1988年をかぎりに制作を終了していた“日活ロマンポルノ”が復活するのである。

 日活ロマンポルノと言っても若い方にはピンとこないかもしれないが、日活というのは、明治45年に「日本活動フィルム株式會社」として設立された映画制作・配給会社だ。それが日活になった。

 戦前には阪東妻三郎(田村正和さんのお父さま)や片岡千恵蔵、嵐寛寿郎といった売れっ子歌舞伎役者を抱え、戦後には、月丘夢路、三国連太郎、森繁久彌、南田洋子、小林桂樹ら後のスターと専属契約を結び、さらには宍戸錠、長門裕之、小林旭、石原裕次郎、浅丘ルリ子、二谷英明、岡田真澄らニューフェイスが加わり、日活は黄金時代を築き上げた。

 後に『ツィゴイネルワイゼン』を撮る鈴木清順監督や、フランソワ・トリュフォー監督を唸らせた『狂った果実』の故・中平康監督、『復讐するは我にあり』『楢山節考』『うなぎ』の故・今村昌平監督らが当時の日活でメガホンをとっていた。そうそうたる俳優人に、そうそうたる監督が日活にはいたのである。

 が、1970年代になると、テレビの普及により、映画は斜陽産業と呼ばれるようになる。日活もまた経営難に陥り、成人映画路線に方向転換を強いられることになった。

 それが日活ロマンポルノだ。

 もう20年も前になるが、かつて日活ロマンポルノに出演していた女優さんに取材したことがある。スカウトされ出演するようになったが、引退するまで監督やカメラマンの前で脱ぐことに抵抗があったと言った。

 「女性のメイクさんが前貼りをしてくれるんだけど、それも恥ずかしくてね。途中から自分でつけるようにしたんだけど、ズレてないかチェックしてもらうのがまた恥ずかしくて……」

 ロマンポルノの男女の絡みは、疑似セックスだ。

 「たとえば、スクリーンの真ん中に花瓶を置くようにして、花を生けておくのね。ベッドはその向こうにあって、でも、花瓶に隠れるから下半身は映らない。いつもそういう工夫をして撮ってました。仰け反るようなポーズをして、顔をアップで映されたら眉間に皺を寄せて苦悶の表情をするとか、手首だけ映してシーツの隅をぎゅっとつかむとか。そうやって演技してました。絡みのシーンはず~っと演技」

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降旗 学[ノンフィクションライター]

ふりはた・まなぶ/1964年、新潟県生まれ。'87年、神奈川大学法学部卒。英国アストン大学留学。'96年、小学館ノンフィクション大賞・優秀賞を受賞。主な著書に『残酷な楽園』(小学館)、『敵手』(講談社)、『世界は仕事で満ちている』(日経BP社)他。


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