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丸の内キャピタル代表取締役社長
矢坂 修

ジョイフルカンパニーを株式公開へ導く

ダイヤモンドホームセンター
【第2回】 2009年10月28日
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高収益力の一方で内部統制に課題
まずはジョイフルの企業インフラを整備

矢坂 修

──ジョイフルカンパニー(以下、ジョイフル)との資本提携の経緯は。

矢坂 当社へ話をいただいたのは今年初めのことで、三菱商事からの紹介だった。さかのぼれば、ジョイフルのメーンバンクである常陽銀行に対し、ジョイフルの本田社長から事業承継について相談があり、三菱商事がパートナー候補として持ち上がった。その後、常陽銀行から三菱商事に相談いただいたわけだが、ちょうど2008年4月より、三菱商事および三菱UFJフィナンシャルグループ(以下、MUFG)が共同出資で設立した当社が投資ファンドとしてスタートしており、当社が資金的なサポートも含めた提携先としてパートナーシップを組むこととなった。

──ジョイフルは事業承継のほかに資金的な課題を抱えていたのか。

矢坂 ジョイフルはCF(キャッシュフロー)を生んでおり、現預金も潤沢にあることから、すぐに資金が必要だったということはない。しかし、長期的な観点で会社の存続を考えた場合、トップとしてジョイフルを率いてきた本田社長を引き継ぐ経営組織の構築ノウハウを外部に求めたといえるのではないか。一般的に世界中の投資ファンドの多くは、人材を含め、さまざまな企業の経営ノウハウを持っている。当社へも、三菱商事とMUFGが設立した日本のファンドとしての安心感と、経営ノウハウへの期待感を持っていただけたことが背景にあったのではないか。

──出資比率は33.4%であり、欧米型投資ファンドのような経営権を掌握する投資スタイルとは異なっている。

矢坂 基本的にジョイフルの経営を尊重する方針でのことだ。われわれは、ジョイフルが実践する、すべてに顧客志向の経営スタイルや、巨大店舗を展開する運営スタイルに手を加えようとは考えていない。逆に彼らに足りないものをサポートするという考え方だ。現実に、先立って出資を実現しているタカラトミー(東京都葛飾区/富山幹太郎社長)でも、取得したのは発行済み株式の15%だ。それでも先方は当社から社外取締役2名を受け入れており、当社も経営ノウハウを活用してもらっていると考えている。株式の過半を取得することが欧米型投資ファンドの原理原則なのだろう。しかし日本の場合、必ずそうしなくとも、企業価値は十分高めることができる。当社はもちろんだが、当社を通じて、三菱商事やMUFGの潜在力をも提供できるのではないかと考えている。また、できるだけ早期に株式を公開することは両社で合意した内容だ。しかし、株式公開そのものが目的ではなく、長期的視点に立ち、内部統制のしっかりとれた筋肉質な企業体質とすることをめざしており、その結果として株式の公開がある。

──事業承継という課題に対し、丸の内キャピタルはもとより、三菱グループとして経営者を送り込む準備はあるのか。

矢坂 それについてはまったく白紙だ。今年の初めに相談いただいてから、本格的な提携に向けた話を進め、丸の内キャピタルより、当方含む2名が取締役に就任している。今後、われわれもジョイフルの方々との交流の中で、経営者としての資質を兼ね備えた人材の有無についても見ていかねばならないと考えている。ただ現時点では、この件については議論していない。これまでカリスマ性の高いトップのもとでつくり上げた独特の企業文化を、大切にしながら、さらに発展させられる人材がジョイフルの中にいるのか、はたまた外にいるのか、これはまったくわからない。

──ジョイフルの企業としての強みと弱みについて、どのように分析しているか。

矢坂 強みは収益力、売上をつくる力だろう。巨大であり、それでいて地域に密着した店舗の集客力には目を見張るものがある。顧客を引きつける店舗展開を基盤とする経営は、ジョイフルの大きな強みといえるだろう。一方、今後の課題は内部統制の問題だ。上場企業であろうがなかろうが、企業として持たねばならないインフラがある。ただモノを売るだけではなく、企業内部もしっかり公開できるような体制を整えることが必要になっている。とくにこの点については、われわれが得意とする分野であり、人的な面も含めサポートする考えだ。まずは年内に課題を抽出し整理する。その上で、2010年から、順次われわれのノウハウを入れていきたいと考えている。


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