<階段ののぼりおりトレーニング>
●練習1

 子どもの腰の高さ(股下)より少し低い台を用意します。
 まず、後ろ向きに四つん這いにして、片足(利き足)を台のへりからおろすように引っぱって、ちゅうぶらりんにし、床につくように促します。

 怖がっていたり、なかなか足をおろさないときは、お母さんの手を床代わりにし、「お母さんの手に載ってごらん」と、その手をゆっくり床に近づけておろします。

 このとき、お子さんの上半身を軽く支えてあげてください。
 くれぐれも足首を引っ張って、床に足を無理につけないように。

「歩行の基本」を<br />どうマスターさせるか?<br />――脳がみるみる賢くなる<br /> 身体トレーニング9久保田 競
(Kisou Kubota)
1932年生まれ。医学博士、京都大学名誉教授。世界で最も権威がある脳の学会「米国神経科学会」で行った研究発表は日本人最多の100点以上にのぼり、現代日本において「脳、特に前頭前野の構造・機能」研究の権威。2011年、瑞宝中綬章受章。『ランニングと脳』『天才脳をつくる0歳教育』『あなたの脳が9割変わる!超「朝活」法』など著書多数。

 このようにしながら、2~3回、片足を床につけます。
 片足を自分で床までおろせるようになり、上体を倒したまま、その足に体重をかけられるようになったら、もう一方の足をゆっくりと下におろし、二本足をそろえて立たせます。

 この間、お母さんは、お子さんの上体の姿勢に気をつけてください。
 また、手だけ使って椅子からすべりおりたり、おなかに体重がかかって、足だけブラブラさせておりられないときは、この台での下がり方を練習させてください。

 この練習によって、自分でおりられるかどうか、階段を見ただけで感覚的に判断できるようになります。

 のぼりは、ほとんどの子がすぐにできます。お母さんが手とり足とり教えるのは、おり方のほうです。

 危険なのは、階段や段差からの転落ですので、しっかり片足が床についてから身体の移動を行うことを教えてください。これは歩行の「基本」です。