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放送中止カップヌードルCMの“おバカ”が許されない息苦しさ

降旗 学 [ノンフィクションライター]
【第157回】 2016年4月16日
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 乙武洋匡氏の不倫が報じられたとき、奇しくも作家の林真理子さんと瀬戸内寂聴さんが別媒体で同じことを言っていた。どうしたらセンテンススプリングに書かれないかと芸能人に訊かれるたびに、林氏は「センテンススプリングの記者になれば書かれない」と応えているそうだが、彼女は「乙武さんも“作家”だったらこんなに騒がれなかっただろうに」と言うのである。ほんまかいな?

 〈作家はもともと地味な職業ゆえに、何があっても世間から興味を持たれることはない。また、まともな人種だと思われていないから、スキャンダルがあってもへっちゃら〉

 実に興味深いことを林氏はエッセイに書いた。林氏はどうやら“乙武応援団”でもあるらしく、こんなことまで綴っている。

 〈(前略)「乙武くん、よくやった」という思いがわたしの中に出てきたのも確かなのである。だって乙武くんは足も手もない。かなり重度のハンディキャップである。それなのに奥さん以外の何人もの女性を口説き、モノにしたのである(中略)

 「奥さんは泣かせただろうけど、モテるのは仕方ないよねー。ま、よくやったよ」

 と、わたしは彼の肩を叩いてやりたい(後略)〉(週刊文春4月7日号)

 ほお。このように、不倫で女房を泣かせた男を林氏は讃えた。
 瀬戸内寂聴氏も“乙武応援団”のおひとりのようだ。

 〈(前略)ずっと陰ながら好意を抱き続け、その幸福を祈っていた乙武さんが、突然不倫の不行跡を暴かれ、週刊誌に書きたてられ、マスコミに非難されている(中略)

 これから生きのびるには、小説家になるしかないのでは。小説家は不倫をしようが、色好みの札つきになろうが、その恥を書きちらして金を稼いでもどこからも文句は言われないよ〉(朝日新聞4月8日)

 こちらも、何人と不倫しようがクリスマスに女房子どもを放っといてチュニジア~パリの不倫旅行を楽しもうが作家なら誰からも咎められないと言っておられるのだが、さすが、若かりしころ3才になる娘を捨て、夫の教え子と駆け落ちした瀬戸内さんだからこその説得力だ。

 だが、多くの人は、林氏や瀬戸内氏のように、不倫に寛容ではない。

 先日、日清食品・カップヌードルのテレビCM「OBAKA's UNIVERSITY(おバカ大学)」シリーズがわずか10日で放送中止に追い込まれた。正しくは、日清食品が放送中止を決めたのだけど。

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降旗 学[ノンフィクションライター]

ふりはた・まなぶ/1964年、新潟県生まれ。'87年、神奈川大学法学部卒。英国アストン大学留学。'96年、小学館ノンフィクション大賞・優秀賞を受賞。主な著書に『残酷な楽園』(小学館)、『敵手』(講談社)、『世界は仕事で満ちている』(日経BP社)他。


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三面記事は、社会の出来事を写し出す鏡のような空間であり、いつ私たちに起きてもおかしくはない事件、問題が取り上げられる。煩瑣なトピックとゴシップで紙面が埋まったことから、かつては格下に扱われていた三面記事も、いまでは社会面と呼ばれ、総合面にはない切り口で綴られるようになった。私たちの日常に近い三面記事を読み解くことで、私たちの生活と未来を考える。

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