ハイハイ抜きに歩かせるな

 スムーズに歩を進めるには脚力も必要ですが、視力も大事です。
タイミングのいい働きかけと子どものやる気の相乗効果で、学習効果が一気に上がります

ハイハイは「見る力」をつけるのに非常に大切な行動です。
 赤ちゃんは楽しい移動の中で、目の訓練の自習をしているのです。

このハイハイを抜きにして、歩かせないように!

 また、赤ちゃんは若干遠視ぎみのことが多いです。
 ガラガラおもちゃを目の前で振り、必死に赤ちゃんの関心を引こうとしているおばあちゃんがいますが、赤ちゃんはガラガラよりも、おばあちゃんの目玉や声の出る口もとを見ています。

 ガラガラの振る速さに焦点が合ってないために、赤ちゃんは鮮明な映像を結べないまま、ボヤッと視界の中に入れているだけなのです。
 これでは無意味な接し方と言われても仕方ありません。

 ガラガラを使う場合は、遠くから赤ちゃんの目の近くに寄せ、視点がガラガラに止まったところで、静かにゆっくり大きく動かし、それに合わせて赤ちゃんが目玉を動かすまで、振り回すのはやめましょう。

 また、首がすわる前にあまり大きく振ると、目玉がその動きについていけません。

 このように、赤ちゃんの視界の範囲や、焦点距離などがわかると、音の出るおもちゃでうまくあやし、楽しく笑顔で接することができます。
 赤ちゃんは、どんなことも学習して覚えます。

このなにげない遊びも、感覚をきたえるため、と意識してやってください。
 どんなものでも、最初は正面に置き、焦点がバッチリ合った見せ方を心がけましょう。

≪競博士のひと言≫
 歩き始めのころは、前をよく見て歩かなくてはなりません。
 ゆっくりと歩きながら、交互に地面にかかとをつけ、その後につま先をつけます。
 交互に手を振りますが、足が前に出たとき、手が足の後になります。
 歩き始めの不安定な歩き方は、かかとが地面につかない、“つま先歩き”です。
 年配の人や四足動物の歩き方も、このつま先歩きですが、人間の場合、つま先歩きでは、非常にころびやすくなります。
 子どもが早く歩けただけで、喜んではいけないのです。

久保田カヨ子(Kayoko Kubota)
1932年、大阪生まれ。
脳科学の権威である京都大学名誉教授・久保田競氏の妻で2人の息子の母。約30年前に、日本における伝統的な母子相伝の育児法を見直しながら、自身がアメリカ在住時と日本で実践してきた出産・育児経験をもとに、夫・競氏の脳科学理論に裏づけされた、“0歳から働きかける”久保田式育児法〈クボタメソッド〉を確立。この20年で3000人以上の赤ちゃんの脳を活性化させてきた。テレビなどで「脳科学おばあちゃん」として有名。累計36万部突破のシリーズ『0歳からみるみる賢くなる55の心得』『カヨ子ばあちゃん73の言葉』『カヨ子ばあちゃんの男の子の育て方』『カヨ子ばあちゃんのうちの子さえ賢ければいいんです。』『赤ちゃん教育──頭のいい子は歩くまでに決まる』『カヨ子ばあちゃんの子育て日めくり』などベスト&ロングセラー多数。ズバッとした物言いのなかに、温かく頼りがいのあるアドバイスが好評。
【脳研工房HP】
http://www.umanma.co.jp/

 

久保田競(Kisou Kubota)
京都大学名誉教授、医学博士。世界で最も権威がある脳の学会「米国神経科学会」で行った研究発表は、日本人最多の100点以上にのぼり、現代日本において「脳、特に前頭前野の構造・機能」研究の権威。2011年、瑞宝中綬章受章。1932年、大阪生まれ。
朝4時半起きで仕事をする「朝活」を50年以上実践。ジョギングは30年以上、毎日続けている。著書に、『新版 赤ちゃんの脳を育む本』『2~3才からの脳を育む本』『天才脳をつくる0歳教育』『天才脳を育てる1歳教育』『天才脳を伸ばす2歳教育』『天才脳をきたえる3・4・5歳教育』(以上、大和書房)、『あなたの脳が9割変わる!超「朝活」法』(ダイヤモンド社)などベスト&ロングセラー多数。