良くできた企画書なのに上司がイエスと言わない12の事情なぜ上司は企画を通してくれないのか?その背景には様々な事情があるようだ

 ここまで、「ウチの会社は提案(企画)が通らない」という人の初歩的な問題点と、提案としての合格ラインには達しているものの、会社や上司から見て「魅力的でない」企画について具体的に解説してきた。

「提案が通らない理由」シリーズの最終回である今回は、提案としてはアリだが、「GOを出せない理由がある」という、“D”のジャンル(下記参照)について解説する。これは、提案としてはOKラインに達しているのだが、どうしても「GO」を出せない「隠れた事情」があったり、「なんとなく嫌だ」という感覚的な理由で却下されてしまったりするケース。どうにもならないものもあるが、こちらの努力次第で風向きが変わるものもある。一つずつ見ていこう。

<提案が通らない理由>
A、そもそも、あなたに提案する「資格がない」(理由1~4)→前々回
B、内容が提案として「成立していない」(理由5~13)→前々回
C、提案が会社や上司から見て「魅力的でない」(理由14~26)→前回
D、提案としてはアリだが、「GOを出せない理由がある」→今回解説

会社と上司の事情をよく理解した上で
提案できているか?

27、「聞いたばかりで、すぐには決められない」

 Dに分類される1つめの理由は、「すぐには決められない」。つまり、上司がまだ内容を十分に消化できておらず、意思決定するにはもう少し時間が必要だということだ。私もいくつもの失敗の末にやっとわかってきたのだが、「(頭で)理解した」ということと、「(心で)納得した」ということ、「(意思決定として)やってくれ」と言うのとの間にはそれぞれ隔たりがある。

 とくに、それらの3段階を短時間で駆け抜けようとすると、「何か漏れがあるのではないか」、「NGな理由があとになって出てくるのではないか」といった不安を上司の心に湧き起こすことになる。最初に企画を打診するところから結論をもらうまで、物理的に一定以上の時間を確保することは結構重要なのである。一発OKで決裁をもらおうとするより、報告や相談を2~3度行ったうえで、自然に決裁してもらうほうが、結局早くOKをもらえる。