お母さんの視力と眼筋力も
同時によくなる一石二鳥の方法

 身体の動きがまだ不安定な時期に、遊びの中に「視覚追跡トレーニング」を取り入れ、お母さんが手助けしてあげてください。

動かないものを注視したり、動くものを追跡視したりして、視線を定め、視界を広げることを意識的に組み込んでいきます。

 この遊びは、お母さんの視力と眼筋力を同時に高めるので一石二鳥でしょう。

 たとえば、ウィンクやまばたき遊び、「上がり目、下がり目、ぐるっと回って、ネコの目」、横目、寄せ目などの練習をお母さんが見せて、笑いながら楽しくやりましょう。その表情をカメラに収めて見せるのもいいですね。
 視野を広げるのに、3面鏡を利用するのもいいでしょう。

≪競博士のひと言≫
 動くものを見て、目で追いかける働き(視覚追跡)は、目の動きを調節している前頭「眼野」で行われます。
 自分の意志で目を動かすのも、前頭「眼野」の働きです。
 手や足を動かすときに、目も協調させて動かすのは、行動をうまくやりとげる条件になります。
「視覚追跡トレーニング」なら、子どももおもしろがってやってくれるでしょう。

久保田カヨ子(Kayoko Kubota)
1932年、大阪生まれ。
脳科学の権威である京都大学名誉教授・久保田競氏の妻で2人の息子の母。約30年前に、日本における伝統的な母子相伝の育児法を見直しながら、自身がアメリカ在住時と日本で実践してきた出産・育児経験をもとに、夫・競氏の脳科学理論に裏づけされた、“0歳から働きかける”久保田式育児法〈クボタメソッド〉を確立。この20年で3000人以上の赤ちゃんの脳を活性化させてきた。テレビなどで「脳科学おばあちゃん」として有名。累計36万部突破のシリーズ『0歳からみるみる賢くなる55の心得』『カヨ子ばあちゃん73の言葉』『カヨ子ばあちゃんの男の子の育て方』『カヨ子ばあちゃんのうちの子さえ賢ければいいんです。』『赤ちゃん教育──頭のいい子は歩くまでに決まる』『カヨ子ばあちゃんの子育て日めくり』などベスト&ロングセラー多数。ズバッとした物言いのなかに、温かく頼りがいのあるアドバイスが好評。
【脳研工房HP】
http://www.umanma.co.jp/

 

久保田競(Kisou Kubota)
京都大学名誉教授、医学博士。世界で最も権威がある脳の学会「米国神経科学会」で行った研究発表は、日本人最多の100点以上にのぼり、現代日本において「脳、特に前頭前野の構造・機能」研究の権威。2011年、瑞宝中綬章受章。1932年、大阪生まれ。
朝4時半起きで仕事をする「朝活」を50年以上実践。ジョギングは30年以上、毎日続けている。著書に、『新版 赤ちゃんの脳を育む本』『2~3才からの脳を育む本』『天才脳をつくる0歳教育』『天才脳を育てる1歳教育』『天才脳を伸ばす2歳教育』『天才脳をきたえる3・4・5歳教育』(以上、大和書房)、『あなたの脳が9割変わる!超「朝活」法』(ダイヤモンド社)などベスト&ロングセラー多数。