進むべき方向をしっかり示すことが女性リーダーにも求められている。

 ここまで経営者・管理職クラスの女性たちについて言及してきたが、部下を持つワーママだって全く同じだ。「時短で働かせてもらっているから」と遠慮して、部下に対して強く言えない女性は多い。でも、それはおかしな話だろう。時短だろうがなんだろうが「抜擢されて部下を抱えている」ことに変わりはない。

 「自分が時短勤務をしているせいで、周囲に迷惑をかけているから」と縮こまってしまうと、チームは余計にボロボロになってしまうだろう。前みたいに成果を出せていても、あるいは出せていなくても、部下に指示するのが管理職に与えられた役目なのだから。どうしても「指示を出すのがつらい」「部下を持つのがしんどい」という状況になれば、上司や社長に相談すれば良い。

 日本で女性管理職の割合が30%になったとき「女性管理職なんて、所詮その程度のものだ」となってしまうと、世の中全体がゆるんでしまい、プラスの結果をもたらさないと思う。もちろん、いろいろなタイプのリーダーがいてもいい。それでも譲ってはいけないラインはある。舐められてはいけない。毅然とした態度を貫き通す姿が、進むべき方向をしっかり示すことがリーダーに求められている。
(『すべての女は、自由である。』より)

女性リーダーは、「皆とうまくやりたい」という思いを優先してはいけない

経沢香保子(つねざわ・かほこ)
株式会社カラーズ代表取締役社長。
桜蔭高校・慶應大学卒業。リクルート、楽天を経て26歳の時に自宅でトレンダーズを設立し、2012年、当時女性最年少で東証マザーズ上場。
2014年に再びカラーズを創業し、「日本にベビーシッターの文化」を広め、女性が輝く社会を実現するべく、1時間1000円~即日手配も可能な安全・安心のオンラインベビーシッターサービス「キッズライン」(https://kidsline.me/)を運営中。
著書に、『自分の会社をつくるということ』(ダイヤモンド社)などがある。
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