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みのもんた氏が問う「子の不祥事と親の責任」の3年前と今

降旗 学 [ノンフィクションライター]
2016年4月23日
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 先日、テレビ朝日の『橋下×羽鳥の新番組(仮)』に出演したみのもんた氏が、次男が窃盗未遂で逮捕された際(泥酔し路上で寝ていた40代会社員のカバンに入っていたキャッシュカードを盗み、コンビニのATMで現金を引き出そうとして逮捕。2013年)、息子の不祥事なのに、マスコミは当事者ではなく親の自分を叩きすぎではないか――、と訴えた。

 「倅が財布を拾った拾わない、キャッシュカードを自分のじゃないかと思って探して、探して無い。それから端を発して、“本当に、お前、いまやったカードはお前のじゃないのか”“いや、落ちてたんで、ぼくは探してたんですよ”“本当に財布、落としたのか落とさないのか”、そこに“この財布お前のか”って届けてくれた。“ああ、じゃあ、お前、本当に財布探してたんだな”と帰された。

 それから一週間後ですから。“お前の親父の名前はみのもんたか”って訊かれて、そうですって。その場から拘留ですよ。やっぱり不自然なものを感じましたね」(番組での発言より)

 みの節にしては歯切れが悪いというか奥歯に物の挟まったような言い方だが、みのさんは訴えるのである。次男は“みのもんたの息子”だったからあれほどの騒ぎになった、自分が普通のサラリーマンだったらあんな騒動にはならなかっただろう。家族とはいえ30歳を過ぎ、社会人になって家族まである息子の不祥事なのに、父親まで一緒に叩かれるのはおかしいと。そして、だったらどこまでが親の責任なのか、論争してくれよとも言う。

 責任の所在という発言を聞いて、おや、とちょっと気になったのである。

 著名人の子どもが不祥事を起こすとメディアが親に説明を求めるのは、振り込み詐欺に通ずるものがあると指摘するのは大澤孝征弁護士だ。

〈これだけ注意を呼びかけてもいまだに「振り込め詐欺」の被害が後を絶たないのは“我が子の不祥事は表沙汰にしたくない、できれば内々に済ませたい”という日本の親らしい心情を巧みに利用しているからです。(中略)

 日本にはそういう心情があるから、著名人の子が罪を犯せば、マスメディアは当然のように親の謝罪を求めます。そこでお詫びしなかったり、態度が悪かったりするとたちまちバッシングの嵐です。(中略) 法的に責任はないにしても、我が子が罪を犯せば、世間さまに謝罪するのは親の務め、という意識は根強く残っているのです〉

 みのさんの訴えどおり、親に責任を問うのは明らかに筋違いだと言うのは元日本テレビディレクターで上智大学教授の水島宏明氏だ。

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降旗 学[ノンフィクションライター]

ふりはた・まなぶ/1964年、新潟県生まれ。'87年、神奈川大学法学部卒。英国アストン大学留学。'96年、小学館ノンフィクション大賞・優秀賞を受賞。主な著書に『残酷な楽園』(小学館)、『敵手』(講談社)、『世界は仕事で満ちている』(日経BP社)他。


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