熊本地震にスポーツ界からも
支援の動きが続々

被災地にスポーツ界の熱い支援、熊本出身選手も存在感Photo by Takeshi Yamamoto

 熊本地震の発生から10日ほどが経った。まだ余震は続いているし、避難生活を続けている方々も5万人近くいるそうだが、全国で募金などの支援活動が行われ、災害ボランティアも現地に続々と集結。少しずつではあるが復旧への歩みが始まった。

 スポーツ界にも支援の動きが広がっている。プロ野球やJリーグでは多くの会場で試合前に募金活動が行われている。また、23日にはスーパーラグビーで日本のサンウルブスが初勝利をあげたが、会場の秩父宮ラグビー場にはサンウルブスのだけでなくトップリーグの選手たちも募金に参加し支援を訴えた。ファンからすれば、すごいプレーを見せてくれる憧れの選手が募金箱を持って立っているわけで、協力するのは当然という気持ちになる。どの会場でも多くの寄付が集まったはずだ。

 球団やクラブでも寄付をする動きがある。たとえば福岡ソフトバンク。地震の影響で16日の東北楽天戦が中止になったが、その試合でファンに配布する予定だった応援タオル5000枚を募金などで集めた約580万円とともに送ることにしたという。被災者にとってタオルは何かと役に立つ。試合中止によって余ってしまったタオルを有効活用できるだけでなく、ホークスのロゴが入ったタオルが贈られれば球団への好感度にもつながる。一石三鳥くらいの効果が見込める支援活動といえる。

 報道によれば個人的に寄付を行なったアスリートもかなりの数に及ぶ。プロテニスの錦織圭はバルセロナ・オープンに出場中だったが、熊本地震の惨状を知ってすぐに支援を決断。スポンサー契約を結んでいる寝具メーカーに自らも愛用するマットレスを1000枚、被災地に届けることにした。金額にすれば7000万円ほどといわれる。避難先では固い床で横にならざるを得ないケースがある。マットレスがあれば、その苦痛を軽減できるわけで、被災者にとってはうれしい支援だろう。金額もすごいが、そうした気遣いができる錦織もすばらしい。

 プロゴルフの松山英樹は地震直後、すぐにチャリティーサイン会を開催。250万円超を義援金として送った。イタリア・セリエAでプレーする本田圭佑も1000万円を寄付したという。これらの支援はメディアが知ることになり報道されたが、黙ってなにがしかの寄付をしたアスリートは少なくないはず。金額の多寡ではなく、そうしたハートを持った人がスポーツ界には少なくないのだ。