経営×物流

山崎製パンはなぜ、災害時の緊急食料支援に強いのか

「火事場の馬鹿力」を発揮
非常時の組織力、結束力は極めて強い

 仙台工場の復旧に向けての対応も早かった。

 震災2日目の3月13日には飯島社長がトラックに乗って現地入りし、大きな余震が続くなかで工場の再建を陣頭指揮。グループ内のエンジニアリング子会社の人的パワーも総動員して、4月4日には操業再開に漕ぎ着けている。

 「火事場の馬鹿力」といっては例えは悪いが、「普段から飯島社長が右を向けといったら、社員みんなが一斉に右を向くという軍隊のような会社なので、非常時の組織力、結束力は極めて強い」(同業他社社員)。

 スーパーやコンビニにとっても、災害時に安定かつ途絶えにくいデリバリーを行ってくれるメーカーは心強いものだ。

 そして、大きな災害を経験するほど信頼関係も厚くなっていく。一部の市場関係者は「熊本工場の速やかな復旧が果たせたことにより、南九州地域での山崎製パンのシェアはさらに数ポイント上がるのでは」と指摘している。

 山崎製パンの強みは、こうした修羅場の経験に基づくタフさだけでない。素早い復旧を果たせた2つめの理由が以下の点になるのだが、同社の充実した自社インフラ網も天災などのリスクに対する冗長性を高めるのに役立っている。

 山崎製パンが国内に構えるパン工場は、北は札幌工場(恵庭市)から南は今回地震に遭った熊本工場まで、直営だけで計25拠点に上る。

 さらに資本参加や生産委託提携を結んでいるローカルの製パン会社もあり、これらの生産拠点から自家用トラックによる網の目のような自社物流網が伸びて、顧客先である大手スーパーやコンビニなどに納品している。工場間で製品を相互に融通する社内トラック便も走っている。

 前述した通り、エンジニアリング子会社まで抱えて製パン設備などもすべてではないが、内製している。

 業務のアウトソーシングやサード・パーティー・ロジスティクス(3PL)がすでに一般化している国内製造業のメインストリームを考える時、山崎製パンがみせる「自前主義」と「保守性」は株価を押し下げかねない要因の1つではあるが、こうした一気通貫の社内機能が柔軟かつ機動力のある緊急対応をもたらしているのもまた、事実である。

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