親は背中と言葉、両方で子どもに伝えよ

ムーギー 子は親の背中を見て育つと言います。里佳さんの場合は椎木さんが起業家であり、クリエイティブな方であることの影響も大きいでしょうね。たとえば「本を読みなさい!」とガミガミ言うより、本を読んでいる姿を見せたほうがいい。

 親が仕事に誠実に打ち込んでいると、子どもも仕事に誠実に向き合うようになる。椎木さんのように自由放任を実践していても、子どもたちは無意識のうちに親の背中からたくさんの影響を受けます。これは、本書で紹介している200人を超えるアンケートの中でも、最も多かった回答の一つです。

椎木 うん、きっとそうでしょうね。

ムーギー 一方で、「言葉で伝え続けること」も大事だと思います。私の父はいつも怒っていて、今回実施したアンケートに書いてあるような「いい父親」とはかけ離れていました。でも、子どものころから「大統領になれ」と言われていたんです。

子どもはおおいに「勘違い」させよ!

椎木 ええっ、大統領ですか?

ムーギー しかも、「最低でもどっかの国の大統領」ですから大変な期待です。残念ながらいまのところ、飲み会で「ヨッ、大統領!」とはやされるのが関の山ですが、小さいころから呪文のように言われていたから、「志高く、大きく生きなければ」というメンタリティは身についた気がします。

 パソコンで言うなら、アプリケーションソフトは大人になってからもインストールできるものだけど、基本的な思考パターンとしてのOSは、子どものころにインストールされるんですよね。だから、どうしても子どもに伝えたい重要なメッセージは背中で語ると同時に、幼少期から言い続けることも大事だと思います。

椎木 おっしゃるとおりですね。

(後編は、5月16日公開予定です)