日本映画をめぐって、ちょっとした論争が起きた。

 発端は、イギリスの映画制作・配給会社のアダム・トレル代表の談話が産経新聞に掲載された際、トレル氏が“日本映画はレベルが低い”と発言したことだ。ちなみにこの方、日本をはじめアジアの映画を海外に紹介する仕事をしている。トレル氏は言ったそうだ。

「日本映画のレベルは本当に低い。最近すごく嫌いになってきたよ!」

 ちょっと前ならアジアでは日本映画の評価がいちばん高かったが、このごろは映画の質がどんどん下がり、韓国や中国、台湾、タイの映画に抜かれる始末とのことだ。最近は好きな邦画が見つからなくて、海外配給が大変だとも言う。

「日本映画の大作、例えば『進撃の巨人』はアメリカのテレビドラマっぽくてすごくレベルが低い。何でみんな恥ずかしくないの?」

 だそうだ。コミック原作の恋愛映画に至ってはため息が出るレベルだとか。

 私も、演技の“え”の字も知らないアイドルの学芸会レベルの映画を見せられたらため息のひとつもついてしまうだろうが、日本映画をけちょんけちょんに言うトレル氏に、音楽プロデューサーの福田裕彦氏がツイッターで噛みついた。

 〈だいたい「今の日本映画はつまらない」とか「神目線」言う人間は、例えば予算のない現場で制作のスタッフがしょぼい弁当をリカバーするために必死で味噌汁作ってキャストやスタッフを盛り上げようする矜持すら知らない。俺はそんなやつらは一切信じない。勝手にほざいてろ〉(原文ママ)

 この反論が炎上した。福田氏のツイッターにはこんな批判が寄せられたのである。

 〈制作スタッフの仕事は面白い映画を作ることで味噌汁を作ることではない〉

 〈味噌汁で勝負しないで、映画本編で勝負してください。そんなことばっかり言ってると日本映画に携わっている人たち自体がしょぼい人間だと言われてしまいます。お客は邦画も洋画も同じ値段で見るんですから〉

 これら意見に対し、福田氏はツイートの連投でさらに反論し持論を展開した。

 〈色々な@ツィートを頂いたので、補足、と言うとなんですが、もうちょっと書きますね。思うに、映画の現場というのは、様々なプロのスタッフの「矜持」に満ちていて、誰もが「いい映画」「面白い映画」を作ろうと必死で働いています。でも実際には、その映画が「面白い映画」になる確率はとても低い〉