ところが、私の周囲にもポイントカードをたくさん持ち、ポイントを一生懸命貯め、そのポイントを使ってできるちょっとトクな経験をすることに快感を覚えている人がたくさんいます。

 そのような人に、なぜポイントカードを作るのか尋ねてみると、その答えはたいていこうです。

 「せっかくだから……」
 「とりあえず……」
 「別に持っていても損することはないし……」

 でも、そのちょっとトクな経験をするために購入したたくさんのものは、本当にあなたにとって必要なものだったのでしょうか。

 作ったものの、ポイントが貯まることなく有効期限を過ぎたポイントカードは、あなたに何をもたらしてくれたでしょうか。

 もしかしたら、本当にトクをしたのはお店側だけかもしれません。

数字の理屈よりも、あなたの感覚

 もちろんこの話は数字を使って細かく分析し、ポイント還元は実質何%オフのメリットなのか、といった数学的な議論も可能な話題です(例として前回の内容もご参照ください)。

 しかし、そんな細かい数字の議論よりもまず持っておくべき感覚があると思います。

買い物とは、「いま必要なもの」を手に入れるためにするものであって、ポイントやあなたの「貯めている気分」を満たすためにするものではないということです