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美人のもと

お客様さま

西村ヤスロウ [広告プランナー]
【第74回】 2010年8月16日
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 かつて三波春夫は「お客さまは神様です」と言っていた。この一言は商取引に大きな影響を与えているようだ。顧客主義を「お客さまは神様」だと解釈している人も多く、行動指針にしている会社もある。

 これは消費の現場でも影を落とす。お金の流れを人の地位のように解釈し、お金をいただく場面でペコペコして、お金を払う時には威張ってしまう人が非常に多い。

 見ていてこちらが恥しくなるような威張りん坊をたまに見かける。「神様」扱いされて当然という態度。デパートなどでお願いするときも敬語が使えない。レストランなどで注文する時も名詞だけ、もしくは「ちょうだい」で締めくくる。たいてい威張っていることを自慢するかのように大声で話すので場の空気が汚れる。飛行機など狭い空間だと最悪だ。そんな人を見ているとたいてい「美人のもと」が減っている。

 一方、「お客さま」になったときに謙虚な振る舞いができている人は美人が多い。行儀がいい。お願いの仕方がとてもうまい。見ていて気持がいいし、そういう人がいる空間は心地いい。

 最も差が出ると思えるのが「おひとりさま」の時だ。美人は「おひとりさま」での振る舞いがうまい。一人で食事をしたり、映画に行ったり、旅に出たり。友達と楽しむことも好きだが、あえて一人を楽しむことも知っている。

 そして「お客さま」の場面でも行儀よく振舞うため、お店などでも丁寧な対応となる。感じのいい「おひとりさま」は店の雰囲気を向上させる、だから店も大切にする。

 実際、一人でコーヒーを楽しんでいる人を見ると美人が多い。穏やかな表情で一人の時間を楽しんでいる。

 神様気取りの人は「おひとりさま」が苦手である。例えば、レストランで食事をしていても落ち着きがなく、何かにつけ注文が多いし、一人なのにうるさい。携帯電話を頻繁にいじったり、大声で話したり、常にアクションがある。孤独ではないアピールをするように。一人を楽しむという概念がわからないのだろう。

 一人の時こそ、他人の行儀のいい振る舞いを見て、多くを学ぶ絶好の機会だ。時間をつくり、美しい「お客さま」の姿を研究しよう。


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西村ヤスロウ [広告プランナー]

1962年生まれ。プランナー。趣味は人間観察。著書に『Are You Yellow Monkey?』『しぐさの解読 彼女はなぜフグになるのか』などがある。


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『経』に好評連載中の西村ヤスロウ氏によるエッセイ。「美人のもと」とは、女性なら誰しも持っているもの、「美人のもと」を磨き続けるためのコツを解き明かす。

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