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北朝鮮、党よりも金が幅をきかす36年ぶりの党大会

ロイター
2016年5月2日
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韓国に住む脱北者のキム・ダンビさんの兄は北朝鮮に住み、同国の支配者層の見本となっている。写真は北朝鮮の故金日成主席の生誕104周年を祝う記念式典。14日に平壌で撮影(2016年 ロイター/KCNA)

[ソウル 28日 ロイター] - 韓国に住む脱北者のキム・ダンビさんの兄は北朝鮮に住み、同国の支配者層の見本となっている。彼は朝鮮人民軍陸軍の退役軍人であり、朝鮮労働党員だ。さらに今では国営企業の幹部も務めている。

 しかし、キムさんによると、彼女の兄は時間がある時に、テレビや寝具といった中国からの密輸品を取引するのを手伝っている。これは最近、車を買えるほど儲かる副業となったという。

 「党に属することは金銭的には何の役にも立たない」とキムさんは言い、「自分で事業をする人々にとっては、それは重荷にさえなっている」と語る。

 キムさんの兄の話は、よちよち歩き状態の半合法的な市場経済が、北朝鮮指導者である金正恩第1書記に難題をもたらしていることを示している。こうした経済は、孤立した独裁的な国で根付いてきた。

 北朝鮮は5月6日から平壌で始まる朝鮮労働党党大会に向けて準備を進めている。36年ぶりとなる党大会に集う何千人もの代表団にとっては、このイベントへの出席自体が支配層における自らのステータスを確認するものとなる。しかし、韓国に渡った脱北者によると、北朝鮮の多くの人々にとっては、お金の方が党員資格に勝るものとなっている。

 「入党すれば、党行事に出席しなければならないため、市場で商売ができる時間を失ってしまう」。2014年に平壌から脱北した元党員で、元政府高官でもある男性はこう語った。

 「一般の人々は、それが自分には全く関係がないと思っている」と来月開催される党大会に言及。男性は、北朝鮮にいる家族を守るため、実名を明かすことを拒否した。

党の文化

 朝鮮労働党の文化は、北朝鮮のいたるところにある。たいていの村は、党役人が毎週土曜日に講義をする建物を有している。そして、伝統的な国営メディアの力の及ばない地域に、中央集権的なプロパガンダを広めている。

 党員の中には、党員カードを失うことを恐れて、金のかなづちと鎌、党の絵筆のモチーフで彩られた深紅色のポーチの中に、党員カードを保管する者もいる。

 ロイターが入手した1つのポーチは、隠されたガンホルスターのように身に付けられるようデザインされていた。それは、着用者の心臓の上の近くに党員カードが来るよう、胸部にわたって伸縮性のあるバンドで引っ張られていた。

 党員は毎週水曜日、仕事後に講義に参加するよう義務付けられている、と2001年に脱北するまで朝鮮労働党に属し、今も同国内の複数の人物と定期的な接触を持つソ・ジェピョンさんは語る。

 来週の党大会に向け人々を動員するキャンペーンが行われるなか、講義は金正恩体制の下でより厳しく統制されるようになったと同氏は話す。金正恩氏は「先民」政治の実現を約束するため、昨年の党創建70周年を利用している。

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