●[超訳ヒント3] 価格コピーのテクニック
 「数字」「メリハリ」「赤」

 価格訴求コピーを書くテクニックを3つ紹介しよう。

【テクニック1】「数字」
 とにかく数字は万国共通でもあるので目を惹きやすい。価格訴求なら迷わず、「割引価格」や「割引率」などをバシッと表記する。もちろん「半額」表記も効果抜群だ!

あの大塚家具の<br />覚悟を決めた<br />「全館全品売りつくし」コピー神田昌典(Masanori Kanda)
経営コンサルタント・作家。株式会社ALMACREATIONS代表取締役。日本最大級の読書会「リード・フォー・アクション」主宰。上智大学外国語学部卒。ニューヨーク大学経済学修士、ペンシルバニア大学ウォートンスクール経営学修士。コンサルティング業界を革新した顧客獲得実践会を創設(現在「次世代ビジネス実践会」)。のべ2万人の経営者・起業家を指導する最大規模の経営者組織に発展。わかりやすい切り口、語りかける文体で、従来のビジネス書の読者層を拡大。「ビフォー神田昌典」「アフター神田昌典」と言われることも。『GQ JAPAN』(2007年11月号)では、「日本のトップマーケター」に選出。2012年、アマゾン年間ビジネス書売上ランキング第1位。著書に、『あなたの会社が90日で儲かる!』『非常識な成功法則【新装版】』『口コミ伝染病』『60分間・企業ダントツ化プロジェクト』『全脳思考』『ストーリー思考』『成功者の告白』『2022――これから10年、活躍できる人の条件』『不変のマーケティング』『禁断のセールスコピーライティング』、監訳書に、『ザ・コピーライティング』『伝説のコピーライティング実践バイブル』『ザ・マーケティング【基本篇】』『ザ・マーケティング【実践篇】』などベスト&ロングセラー多数。

【テクニック2】「メリハリ」
 数字や「半額」という文字は読み手のメリットそのものになる。これらは、他の文字と比較して大きく訴求すると、目に留まる確率がグンとアップする。

【テクニック3】「赤」
 価格訴求の場合、昔から「赤」を使うことが常套手段として用いられている。商店街の「大安売り」の札もしかりだ。

 これら3つのテクニックを使った好例が、次の大塚家具の事例だ。

「生まれ変わるための
全館全品売りつくし 最大50%OFF」

(出典:株式会社大塚家具WEB)

 同社はお家騒動で何かと注目された。新経営体制になり、会員制戦略から一般公開戦略へ転換したからだ。戦略を実行に移すべく、生まれ変わるため覚悟を決めたキャンペーンとして、従来品の在庫一掃セールを巧みに展開した。

 在庫一掃にはどこか物悲しさが漂うが、「生まれ変わるための売りつくし」がメッセージなので、リニューアル感もある。

 実際の広告事例は本書を見ていただきたいが、注意して見ると、ショールームの中の全品が50%OFFではなく、「最大50%OFF」とうたっている。

 言い換えれば、その他商品は、50%OFF以下、つまり低割引商品が多いということだ。

 しかし、広告の中で「通常販売価格328,320円→164,000円」と表記することで、最大割引インパクトを効果的に表現している。

 このコピーを展開した同社の月次売上速報(2015年11月)では、売上前年同月比131%と大幅に向上しており、覚悟を決めたキャンペーンは成功をおさめている(出典:大塚家具月次情報)。