ミドル脂臭は、使い古した油のようなニオイで、原因物質のジアセチルは「つわり香」とも呼ばれるほど、むかむかした不快感を与える。しかも酢の主成分である酢酸のたった120分の1の量でもニオイを感じるため、少量でも大きなインパクトとなる。

 さらに驚くべきことに、男性はミドル脂臭を自覚しにくい一方、女性は気づきやすいという特徴も。周囲の男性からニオイに関して指摘を受けたことがないから大丈夫、と安心しきってはいけないようだ。

 40代はそんなミドル脂臭がピークを迎えるのと同時に汗臭も重なり、そして加齢臭が徐々に増え始める年代。つまり「ニオイの三重苦」に襲われることになる。

 では、ミドル脂臭は一体どこから発生しているのか。ミドル脂臭を発見したマンダムの調査によると、主に後頭部から頭頂部、首の後ろからだという。

 原因物質のジアセチルは、汗に含まれる乳酸が皮膚常在菌であるブドウ球菌によって代謝・分解されて発生。これが皮脂中の中鎖脂肪酸と混じることでさらに悪臭化し、ミドル脂臭になる。したがって、汗をかけばかくほど、頭皮の脂が出れば出るほど、強いニオイとなっていく。

 さらに頭皮の脂は加齢によって、質が変わる。毎日髪を洗っているのに頭皮がベタつくと感じたことはないだろうか。40代になると、トリグリセリドという脂質の比率が増えるため、若い男性のさらさら頭皮脂と比べ、固くなり、洗い落ちにくいねっとり頭皮脂になってしまうのだ。しかも、ミドル脂臭の原因物質であるジアセチルは、脂に取り込まれやすい成分。もし頭皮のアブラを洗い落とせていない場合は、溜まった頭皮脂にジアセチルが蓄積し、ますます強いニオイになって不快度が増すことになる。

 これからますます汗をかく季節。汗を大量にかく人、頭皮がすごくベタつくなと感じている人は、ミドル脂臭に要注意だ。