株式レポート
5月6日 14時21分
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雇用統計直前レポート~雇用の質的改善に注目~ - 米国マーケットの最前線

ADP雇用統計(前月差)  4月 +15.6万人 市場予想 +19.5万人 前月 +19.4万人
(予想)非農業部門雇用者数(前月差) 4月 市場予想 +20.0万人 前月 +21.5万人 
(予想)平均時給 市場予想(前年比) 4月 市場予想 +2.4%
ISM製造業景況感指数 3月 50.8 市場予想 51.4 前月 51.8
ISM非製造業景況感指数 3月 55.7 市場予想 54.8 前月 54.5

■ADP雇用統計は下振れ

本日(6日)4月分の米雇用統計が発表される。前回のレポートで記したように、筆者は4月の連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨からすると6月のFOMCで利上げが決定される可能性は低いと考えているが、その判断材料の1つとして労働市場の状況は引き続き重要視されるとみられるためその注目度は高い。

先行指標である4月のADP雇用統計は、雇用者数が前月から15万6000人増と市場予想の19万5000人増を大きく下回り2013年4月以来の低い伸びにとどまった(グラフ参照)。4月のADPからのみ判断すると、米国の労働市場に何かネガティブな変化が起きているのか疑いたくなるが、単月のブレの可能性も十分にあり現時点で判断することはできない。むしろ、労働市場の先行指標となる新規失業保険申請件数は低下基調を続けていることからすると単月のブレである可能性の方が高いとさえ言えるかもしれない(グラフ参照)。

現時点では労働市場の回復鈍化というネガティブな変化は起きていないと判断し、非農業部門雇用者数は18万人から20万人程度の堅調な増加を予想している。

また、今後は雇用者数という労働市場の量的な側面が軽視されるわけではもちろんないが、労働市場の質的な側面が追加利上げの材料としてより注目される可能性がある。すでに5%まで低下している失業率はほぼ完全雇用に達しているという指摘があり、これ以上の量的改善には限度があるとの見方があるためだ。以前からイエレンFRB議長は労働市場の"緩み"を指摘しており、そこに一段の引き締まりが見られた際に追加利上げに判断が傾いていく可能性もある。質的な側面の判断に使われる代表的な指標である平均時給は4月は前年比2.4%の上昇と予測されている。2.4%というのは概ね過去1年間の平均値に近い数値であり、これを上回る高い数値になるのかにもご注目いただきたい。

■改善と悪化まちまちの企業景況感

2月調査まで米国企業の景況感は原油価格の反発やドル高の一服が追い風となって製造業・非製造業とも底打ち、改善していた。ただ3月調査では製造業は改善一服、非製造業は改善継続と結果が分かれた(グラフ参照)。

まず、2日に発表されたISM製造業景況感指数は50.8と前月の51.8から低下し、市場予想の51.4も下回った。指数が前月から悪化したのは4ヶ月ぶりで、製造業景況感の改善一服が示された格好となった。指数の内訳を見てみると、ヘッドラインを構成する5項目は「新規受注」(58.3→55.8)、「生産」(55.3→54.2)、「在庫」(47→45.5)、「雇用」(48.1→49.2)、「入荷遅延(50.2→49.1)」と前月から改善したのは「雇用」のみで残る4項目は悪化した。

特に「新規受注」は前月から2.5ポイントの若干大きめな悪化となっている。以前のレポートでも記したように、ISM製造業指数と企業業績の相関は高く、よって同指数と株価の相関も高い。中でも「新規受注」はグラフに示したようにS&P500の前年比変化率とトレンドが似た傾向を示すことが多い。まだ50を上回っており、大きく懸念するにはあたらないとみられるが、それでもやはりISM製造業指数の鈍化は米国株にネガティブだろう。足元の若干の株価調整はISM製造業指数の改善一服を織り込んでいるのかもしれない。

一方、4日に発表されたISM非製造業景況感指数は55.7と2ヶ月連続で前月(54.5)から改善、市場予想を上回って昨年12月以来の高水準を記録した。指数の内訳を見ていくと、「業況」(59.8→58.8)、「雇用」(50.3→53)、「新規受注」(56.7→59.9)、「入荷遅延」(51→51)と4項目中改善2項目、悪化1項目、変わらず1項目となった。製造業とは対照的に非製造業は「新規受注」の高い伸びが特徴的だ。

これまで示したように製造業景況感はようやく最悪期を脱するも一段の景況感改善には力不足といった状況だ。対して非製造業景況感は好調を取り戻ししつつある。米国経済は好調な非製造業に牽引されるという昨夏前の状況に戻りつつあるのかもしれない。

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(マネックス証券)


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