9日の日本株市場は方向感の掴みづらい相場展開になりそうである。まずは6日の米雇
用統計の結果を受けてのスタートとなるが、非農業部門の就業者数が前月比で16万人の
増加にとどまり、市場が予想していた20万人程度を大幅に下回った。これにより、連邦
準備制度理事会(FRB)が次回6月の政策会合(FOMC)で追加の利上げを行う機運がさら
に遠のいた。ドル安・円高の流れに向かいやすい需給状況の中、不安定な相場展開が想
定されよう。
また、今週は決算発表がピークを迎え、2200社程度の決算発表が予定されている。足
元の急ピッチの円高等の影響によって慎重な見方が増えており、業績悪化は相当織り込
まれている可能性はあるだろう。しかし、発表企業の多さから機関投資家は結果を見極
めるまでは積極的に動けず、模様眺めムードが強まりやすいと考えられる。
さらに、週末にはオプションSQが控えていることもあり、決算を見極めたいとする模
様眺めムードの中、日経平均はSQに絡んだ先物主導の商いに振らされる可能性がありそ
うだ。ただし、中小型株の強い値動きをみても個人主体の物色意欲は旺盛だろう。大型
連休明けで市場参加者も増えると考えられ、決算を手掛かりとした個別材料株のほか、
テーマ株などの循環が続きそうである。