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吉田恒のデータが語る為替の法則

「日銀総裁談話」のジンクスも後押し!
「円高・ドル安」は目先的にクライマックス

吉田 恒
【第93回】 2010年8月18日
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 米ドルが先週、一時84.70円台まで下落して、ついに昨年11月に記録した対円安値を更新しました。

 ただ、私はこのまま一気に80円を目指すのではなく、いったんは「米ドル安・円高」がクライマックスを迎える可能性のほうが高いと思っています。

円買いが拡大しやすい状況ではあるけれども…

 「米ドル安・円高」がいったんクライマックスを迎えそうだと思う理由の1つは、円が「買われ過ぎ」になっているということです。

 米CFTC(米商品先物取引委員会)統計によると、円のネット・ロング(買い持ち)は、経験的に5~6万枚が限界圏なのですが、すでにそこまで達しています。

 このように、円の「買われ過ぎ」を拡大させてきた要因の1つが、日米金利差の縮小です。

 過去の実績を調べてみると、「円売り・米ドル買い」が継続的かつ本格的に拡大するためには、日米金利差米ドル優位の「大幅な」拡大が必要です。具体的には、日米政策金利差米ドル優位ならば、2~3%以上の拡大が必要でしょう。

 その半面、金利差が小幅という状況下では「円買い・米ドル売り」が拡大しやすいのです。

 現在の日米政策金利差米ドル優位は、日米ともにゼロ金利政策を採用しているわけですから「ほぼゼロ」です。

 こういった中で「円買い・米ドル売り」が拡大しやすい状況が続いていることはわかります。

 しかし、経験的な「円買い」の限界圏に達しつつある中で、この「円買い」が一段と大幅に拡大すると考えるのは、無理があるのではないでしょうか?

米金利下がり過ぎの「異常な状況」が続くとは考えにくい

 さて、私はこれまで、日米金利差を政策金利で見てきました。これは日本銀行とFRB(米連邦準備制度理事会)が決める金利の差ですが、それだけではなく、この間、市場金利の差も米ドル優位が急速に縮小してきました。

 たとえば、 日米の10年債利回り、すなわち長期金利の差を見ても、この間に米ドル優位が2%を大きく下回ってきました。

 これは、2009年春にかけての「100年に一度の危機」以来の小幅なものになっています。

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吉田 恒 

立教大学文学部卒業後、自由経済社(現・T&Cフィナンシャルリサーチ)に入社。財務省、日銀のほかワシントン、ニューヨークなど内外にわたり幅広く取材活動を展開。同社代表取締役社長、T&Cホールディングス取締役歴任。緻密なデータ分析に基づき、2007年8月のサブプライムショックによる急激な円高など、何度も大相場を的中させている。2011年7月から、米国を本拠とするグローバル投資のリサーチャーズ・チーム、「マーケット エディターズ」の日本代表に就任。


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