株式レポート
5月9日 14時37分
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上海株 強弱材料入り混じり方向感に欠ける展開か - 中国株 Market Pick Up 今週の注目ポイント

先週の中国株式市場
―上海株 続落 税金改革を好感も利益確定売りが重石に―

<先週の概況>

先週の中国株式市場は下落しました。上海総合指数が週間で0.9%安となったほか、ハンセン指数は4.5%安の大幅下落となりました。
5月2日に休場だった上海総合指数は、3日に中国政府による税金改革が好感され大幅に上昇しましたが、その後は心理的な節目の3,000ポイントを超えたところで伸び悩む展開となりました。6日に利益確定売りが膨らみ、結局上海総合指数は週間で0.9%下落して取引を終えています。

中国株式市場バリュエーション

業種別リターン

香港ハンセン指数採用銘柄 週間騰落率ランキング

<上昇>

香港ハンセン指数の構成銘柄のうち上昇したのは3社に留まりました。なかでも電力のパワーアセット (電能実業・00006)が週間で3%超上昇したほか、電力のCLPホールディングズ (中電控股・00002)や地下鉄の運営を行うエムティーアール (MTR・00066)なども堅調推移となりました。

<下落>

外資証券が目標株価を引き下げたことが嫌気され小売りのベレインターナショナル (百麗国際・01880)が週間で9%超下落しました。また、原油価格の下落を受けてクンルンエネルギー (昆侖能源・00135)やシノック(中国海洋石油・00883)といったエネルギー株が大きく売られました。さらに、マカオ政府が来週から電話でのカジノ賭博を禁止すると伝わったことが嫌気されカジノ株のギャラクシー・エンターテインメント(銀河娯楽・00027)も週間で6%超下げました。

先週発表された主な経済指標

5月1日 中国製造業PMI 4月 50.1 市場予想 50.3 前月 50.2

4月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)は50.1と市場予想の50.3に届かず前月から小幅に悪化しましたが、先月に続き好不況の分かれ目である50は上回りました。新規受注(51.4→51.0)や生産(52.3→52.2)、雇用(48.1→47.8)、在庫(48.2→47.4)が揃って小幅に悪化しています。

5月3日 財新(Caixin)中国製造業PMI 3月 49.4 市場予想 49.8 前月 49.7

4月の財新中国製造業PMIが49.4と市場予想に届かず、前月よりも下回って小幅に悪化しました。

5月7日 中国外貨準備高 4月 32190億ドル 市場予想 32020億ドル 前月 32126億ドル

4月末の外貨準備高は3兆2190億ドル(約344兆円)と市場予想を上回り、3月末より70億ドル増えました。外貨準備が増えるのは2カ月連続となりました。米国の早期利上げ観測が後退したことで資金流失懸念が和らぎ2014年半ば以降続いた減少にストップがかかりました。

今後発表される主な経済指標

5月8日 中国貿易収支 4月  市場予想 +455.6億ドル、前回 +298.6 億ドル
輸出 4月 -1.8% 市場予想 +0.0%、前回 +11.5%
輸入 4月 -10.9% 市場予想 -4%、前回 -7.6%

4月の中国の輸出は前年比1.8%減と市場予想に届きませんでした。また、4月の輸入は前年比10.9%減と市場予想を下回りました。その結果4月の貿易収支は前月から黒字額が大幅に増加し、455.6億ドルの黒字となりました。

輸出については、「中国輸出金額の推移 地域別」のグラフを見ると、各地域向けの輸出が軒並み減少傾向にあります。特に、アジア向けの輸出(3月の207→4月の195.2)及び日本向けの輸出(3月の120.6→4月の104.2)の減少が目立ちました。また、輸入の減少率が大きく拡大したのは、中国の内需の改善が依然として力不足であることを示しています。

5月10日 消費者物価指数(CPI、前年比) 4月 市場予想 +2.3%、前回 +2.3%

一部食料関連価格が上昇したことを受けて、4月のCPIは前年比+2.3%の増加と前月から横ばいと予想されています。

5月10日 生産者物価(PPI、前年比) 4月 市場予想 -3.7%、前回 -4.3%

原油をはじめとした原材料価格が大幅に上昇したこともあり、4月のPPI は前年比-3.7%と減少幅が前月から縮小すると見込まれています。

5月14日 固定資産投資(前年比) 4月 市場予想 +11.0%、前回 +10.7%

固定資産投資額は、農村部を除いた都市部の建築工事や設備工事費を集計したものです。不動産の固定資産投資額の回復傾向が継続すれば、全体の固定資産投資額は伸び率が拡大する可能性が高いと思われます。4月の固定資産投資額は前年比11%増と見込まれています。

5月14日 鉱工業生産(前年比) 4月 市場予想 +6.5%、前回 +6.8%

4月の中国製造業PMIや内訳の生産指数が前月から伸びが小幅に鈍化したことから、4月の鉱工業生産は前年比6.5%増と伸び率が前回から縮小すると見込まれています。

マーケットビュー
―上海株 強弱材料入り混じり方向感に欠ける展開か―

先週の上海総合指数は3週続落となりました。2日はメーデーのため休場となりましたが、習近平国家主席が中央政治局会議で「株式市場の健全な発展を促す」と明言したことや、中国政府が税制改革により景気てこ入れへ向け大規模な減税に乗り出したことも支援材料となり、休場明けの上海総合指数は1.8%高となりました。その後、節目の3,000ポイントを試す場面もみられた上海総合指数ですが、3,000ポイントを超えたところで上値を押さえられると、週末には利益確定の売りから2.8%安と大きく下げ結局、週間で0.9%近く下落して取引を終えています。

先週のハンセン指数は大幅続落となりました。2日はメーデーのため休場でしたが、中国の4月の財新製造業PMIが49.4と前月から悪化し市場予想も下回ったことを受けて休場明けのハンセン指数は1.9%安近い大幅下落となりました。その後も米国株安や元安、上海総合指数の伸び悩みなどから下落が続いたハンセン指数は週間で4.5%安となっています。

今週の上海総合指数は強弱材料が入り混じるなか方向感に欠ける展開となりそうです。先週に上海総合指数が節目の3,000ポイントを超えることができず上値の重さが意識されるなか、4月の中国の輸出と輸入が市場予想に届かなかったことに加え、今週に32社の大株主による保有株(5月6日時点、計349.7億元)の売却が解禁されることなどが相場の重石となりそうです。一方で4月の外貨準備が2カ月連続で増加したことなどから、元安ドル高が一服し資金流失懸念が和らぎそうで、これが相場の支えとなりそうです。

今週のハンセン指数は先週末の米国株が上昇したことや、原油価格が続伸したことなどから反発してのスタートとなりそうです。しかし、4月の中国の輸出と輸入が市場予想に届かなかったことや、中国の主要経済指標の発表前に様子見ともなりやすいことから上値の重い展開が続きそうです。こしたなか香港市場では9日に電力のCLPホールディングズ (中電控股・00002)が、11日にホンコンエクスチェンジ (香港証券取引所・00388)が決算発表を予定しています。

フィナンシャル・インテリジェンス部 林 宇川(Tony Lin)

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