ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
おもしろ県民性データブック

【北海道】古い風習にとらわれない 自由なものの考え方

都道府県データ:Vol.40

岩中祥史 [出版プロデューサー]
【第40回】 2010年8月20日
著者・コラム紹介バックナンバー

 県でも府でもない、もちろん都でもない、「道」という名前が、すでにしてそのユニークさを象徴しているといえよう。道州制が実施されてもここだけは名前を変えずに済むわけだから、150年近く前に、今日を予測していた、というわけではないが、わが国では最も歴史が新しい。

 ただ、それはあくまで今の行政区分というレベルの話で、縄文の頃から人が暮らしていたのは間違いないようである。歴史のスタートが遅れたのは、やはりその成り立ちが大きく影響している。北海道の先住民族であるアイヌを、大和民族は長い間差別的に扱ってきたからだ。

 そうした流れを受け、明治維新政府はこの地を「開拓」の対象とした。そして、開拓の担い手として、最初は罪人たちを送り込み、重労働に従事させる。そのあとでようやく、本州以南の府県から一般人を募り、移民させたのである。その時点で、維新から20年以上が経過していた。

 地理的に近いこともあり、移民の多くは東北、北陸地方からやって来た。信州(長野県)、広島、熊本出身の人も目立ち、北海道人のルーツをたどると、ほぼそのあたりに落ち着くようである。道民の気質にそれら地域の影響が今も色濃く残っているのはそのためだ。

新日本人的=北海道的
自由奔放なものの考え方である

 だが、それ以上に、本州以南に古くから伝わる風俗・習慣にとらわれない、新日本人的=北海道的な気質も早くから培われた。その第一は、来る者拒まず、なんでもOKという、自由奔放なものの考え方である。本州以南に顕著な、ムラ社会のしがらみにとらわれたくないという人たちが最初に北海道にやって来たからだろう。

 そのうえ、北海道は冬の気候が非常に厳しい。家1軒建てるに際しても、古い風俗・習慣にこだわっていると、凍え死んでしまう恐れがある。女性の喫煙者比率、離婚率なども、全国で1、2を争うほど高い(特に札幌市)のも、伝統的な価値観に重きが置かれていないからである。

 近い将来世の中で流行するもの、現象は北海道で見出せる──この、マーケティングの方程式は、そのまま北海道人への称賛を意味しているといっていいだろう。


◆北海道データ◆県庁所在地:札幌市/
道知事:高橋はるみ/人口:552万5509人(H22年)/面積:8万3456平方キロメートル/農業産出額:9809億円(H19年)/道の木:エゾマツ/の花:ハマナス/の鳥:タンチョウ

データはすべて、記事発表当時のものです

関連記事
スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR
【デジタル変革の現場】

企業のデジタル変革
最先端レポート

先進企業が取り組むデジタル・トランスフォーメーションと、それを支えるITとは。

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事

岩中祥史 [出版プロデューサー]

1950年、愛知県生まれ。東京大学文学部卒。出版社に勤務後、独立して編集企画会社エディットハウスを設立し、現在、代表。著書に、最新刊『日本を変える「名古屋脳」』(三五館)、『アナログ主義の情報術』(梧桐書院)、『出身県でわかる人の性格』『札幌学』、『博多学』、『名古屋学』(新潮文庫)などがある。各県の気質を調査した、現代県民性評論の第一人者。

 


おもしろ県民性データブック

各都道府県民に共通する特長や意外な一面を、文化や歴史に基づきわかりやすく解説。各県民の性格を知れば、ビジネス上のコミュニケーションもきっとうまくいく!

「おもしろ県民性データブック」

⇒バックナンバー一覧