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インドの不良債権が水面下で急増、国営銀行のリスク浮上

ロイター
2016年5月14日
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インドの不良債権問題は金融機関が認めてきた水準よりずっと深刻で、銀行の収益を一段と圧迫している。写真はインド準備銀行のラジャン総裁、ワシントンで4月撮影(2016年 ロイター/Joshua Roberts/File Photo)

 [ムンバイ 12日 ロイター] - インドの不良債権問題は金融機関が認めてきた水準よりずっと深刻で、銀行の収益を一段と圧迫している。同国のディストレスト(破綻)資産はニュージーランドの経済規模1700億ドルを上回るとの厳しい見方もある。

 事の重大さが露呈したのは先月、インドの民間大手2行が不良債権について前例のない詳細なデータを発表したのがきっかけだ。インド準備銀行(中央銀行、RBI)のラジャン総裁が繰り返し警告してきた、銀行のバランスシート健全化の必要性が裏付けられることになった。

 実際、銀行融資の伸びは2015/16会計年度は10.7%と、約20年ぶりの低水準にとどまった。不良債権の大半を占める鉄鋼など過剰債務を抱える業界への貸し出しを控えたことが一因だ。

 また大半の銀行が、RBIの健全化方針に従い、債務不履行(デフォルト)への引当金を積み増し、過去6カ月間に収益が悪化したこともある。

 格付け大手フィッチ・レーティングスのインド関連会社、インド・レーティングス・アンド・リサーチのアブヒシェク・バッタチャリヤ氏は「銀行は常に高水準の引当金を維持しなくてはならない。そうすると利益が圧力を受け続けることになる」と指摘した。

 同氏の試算では、銀行融資の20%に相当する約13兆ルピー(1950億ドル)がすでに回収困難な状況にある。ディストレスト債は昨年12月時点で全体の11.5%にあたる8兆0600億ルピーと発表されていたが、それを60%上回る水準であり、ニュージーランド経済を超えるほどの規模となる。

抜本的な外科手術が必要

 ラジャンRBI総裁は、バランスシートへの「抜本的な外科手術」が必要だとし、2017年3月までにすべての不良債権を開示し、引き当てを行うことを求めている。

 投資家やアナリストは以前から、インドの金融機関、特に支配的立場にある国営銀行が、引き当ての必要を避けるため、債権不良化の状況を正しく開示していないのではないかと疑ってきた。

 そこへ先月、民間銀行首位のICICI銀行と同3位のアクシス銀行が、初めて不良債権の詳細な内容を公表したことで、問題の根深さが浮き彫りとなった。 

 アクシス銀行は2260億ルピーの融資を「ウォッチリスト(監視対象)」としたことを公表し、このうち60%が2年以内にデフォルトに陥るとの予想を示した。その通りなら、不良債権は3月時点で公表された608億8000万ルピーから急増することになる。

 ICICI銀行は、鉄鋼や電力など経営不振の業種に対する約5250億ルピーの融資を「監視」していることを明らかにした。

 格付け大手ムーディーズ・インベスターズ・サービスでは、信用格付けを行う11の国営銀行の不良債権比率を10.5─12%と見積もっている。昨年12月末時点で発表された数字は7.2%だった。

 ムーディーズの在シンガポール・バイスプレジデントのアルカ・アンバラス氏は「(国営)銀行が経済成長を支え、融資を提供する能力は、最終的にはインド政府がいかに資金面を支援するかにかかっている」と述べた。 

 これら国営銀行は金融業界の資産の3分の2以上を占め、不良債権の約85%を抱えているため、減速する経済をてこ入れしたい政策担当者にとってまさに頭痛の種だ。

 インド・レーティングスのバッタチャリヤ氏は「我々の印象では、好転するより先に事態が悪化する可能性がある」と話した。

(記者:Devidutta Tripathy 翻訳:長谷川晶子 編集:加藤京子)

 

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