16日の日本株市場はこう着感の強い相場展開になろう。13日の米国市場は、4月小売
売上高が予想を上振れたものの、小売企業に冴えない決算が相次いだことで景気の先行
き懸念は払拭できず、軟調推移となった。原油相場の下落なども嫌気される格好とな
り、引けにかけて下げ幅を拡大。結局NYダウは185ドル安だった。シカゴ日経225先物清
算値は大阪比50円高の16390円。
決算がピークを通過した。今回の決算ではトヨタ自<7203>の2017年3月期の営業利益
が前期比4割減となる見通しなど、コンセンサスを下回る下方修正が相次いだ。ただ
し、これらも相当織り込んでいると考えられ、今週からは業績面を見直す流れなどが意
識されそうだ。また、主要7か国の首脳会議「伊勢志摩サミット」を控え、政府の財政
出動策への期待が改めて下支えとして売り込みづらくさせそうだ。
安倍首相は、来年4月に予定する消費増税10%への引き上げを延期する方針を固めた
と報じられている。熊本地震の発生で増税延期論はより活発になっていたが、サミット
後にも表明する見通しとの報道もあり、市場は評価する可能性がある。しかし、消費増
税の延期によって税収が伸びず、財政健全化が進まない可能性から日本国債の格下げリ
スク等が警戒されてくる可能性はある。
なお、テクニカル面では、日経平均は先週末に5日ぶりの反落となり、一目均衡表で
は雲の水準に位置しているが、今後は雲がねじれを起こしてくる。価格帯別出来高では
16800-17200円処での商いが膨れており、これが抵抗として意識されている。目先的に
はやや下へのトレンドを警戒する必要もありそうだ。