ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
原英次郎の「強い中堅企業はここが違う!」 トップに聞く逆境の経営道

直径0.03ミリ!世界最小の手術用針を開発
役員全員を退任させた
河野製作所・4代目河野淳一社長の情熱と革新(下)

原 英次郎 [週刊ダイヤモンド論説委員]
【第20回】 2010年8月24日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage

インタビューの第2回目はモノ作りにかける思いを中心に語ってもらう。世界最小の針の開発で注目された河野製作所だが、経営改革後に飛躍のバネになった製品は、心臓血管外科で使用される針糸の新製品だった。

河野社長:もともとうちは心臓血管外科の分野は、売上がゼロだったんです。従来、心臓血管外科で使用されていた糸は、ポリプロピレン製。ところが、この糸は劣化する。心臓血管を縫ったあとに、実際に再手術が必要になることもある。これに対して、ヨーロッパで開発されたポリフッ化ビニリデンという糸は、まったく劣化しない。あちこちのメーカーさんが糸を売り込みに来たんですけれども、マーケットシェアが確立された、成熟した市場なのでだれも(製品化を)やらない。

千葉県市川市にある本社工場内のクリーンルーム。空気の清浄度が管理されており、製品の組み立て・パッケージングを行っている。

 これは治験が必要だったんですね。治験をやると、お金と時間がかかる。うちとしては売上ゼロの分野なうえに、医療機関も新しいものに対しては、拒絶反応がある。しかしうちとしては、この糸は性能もいいし、患者さんにとってもいいので、やってみようと。これをやったことによって、うちがパイオニアとして認知された。いまや売上の中で一番大きなシェアを占めるまでになっています。

 うちはシェアゼロだったけれども、この製品は今の製品よりも性能が優れていて、患者さんにとってもプラスになるということで、開発に取り組んだことが、今の成長の大きなバネになっていると思います。

1
nextpage
関連記事
スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事

原 英次郎 [週刊ダイヤモンド論説委員]

1956年生まれ、佐賀県出身。慶應義塾大学経済学部卒。
1981年東洋経済新報社に入社。金融、証券、エレクトロニクスなどを担当。
1995年『月刊金融ビジネス』、2003年4月『東洋経済オンライン』、
2004年4月『会社四季報』、2005年4月『週刊東洋経済』の各編集長などを経て、2006年同社を退社。
2010年3月ダイヤモンド・オンライン客員論説委員、2011年10月編集長、2015年1月より現職。
主な著書に『銀行が変わる?!』(こう書房)、『素人のための決算書読解術』(東洋経済新報社)。

原英次郎の「強い中堅企業はここが違う!」 トップに聞く逆境の経営道

世界同時不況で電機・自動車など日本のビッグビジネスが軒並み崩れる中、しぶとく踏み止まる中堅企業がある。経営学の教科書からは学べない「逆境の経営道」をトップへのロングインタビューで探る。

「原英次郎の「強い中堅企業はここが違う!」 トップに聞く逆境の経営道」

⇒バックナンバー一覧