「同僚と飲むのも仕事なのですか?」

 職場の飲み会に参加or不参加でもめている光景なんて、10年前ならありえない話。しかし、最近では冒頭のように「飲み会に参加する必要性」を問いただしてくる若手社員も増えはじめています。つまり、飲み会には開く目的が必要になっているのです。もはや、「職場の飲み会も仕事だと割り切って我慢しろ…!」という考えは、通用しません。

 時間に対する価値観が大きく違うイマドキ社員と管理職や先輩社員の間にあるギャップを埋めるのは一苦労です。ただし、イマドキ社員も飲み会が嫌いなわけではありません。そんな流れを受けてか、最近では「飲み会」の姿も様変わりしはじめているといいます。

 では、なぜイマドキの若手社員たちは「飲み会」に目的を求めるようになっているのでしょうか。そして、「飲み会に参加する必要性」に説明責任が求められる時代に、職場の飲み会はどう変化しはじめているのでしょうか?

大箱居酒屋での一気飲みに、宴会芸
“20世紀の若手社員”が経験した「恐怖体験」

「お疲れ様。今日は盛り上がりましょう。乾杯!」

 レストランで、そうして盛り上がる大人数の騒がしい集団に遭遇したら、残念ながら?それは職場の飲み会に違いありません。

 昔であれば、職場での飲み会は大箱の居酒屋がお決まり。靴を脱いで座敷で行う、隔離されたイベント。飲み放題で、一気飲みする人がいる、気取った雰囲気など無いものでした。若手社員の大半は「苦痛な時間」と感じていたはずです。

 ところがそんな若手社員も管理職や先輩社員になると、

「おい、何か笑える芸でも見せてくれ」

 などと好き勝手に振る舞えるから宴会が楽しくて仕方ない。つまり、昔の職場の飲み会とは、若手社員が先輩社員を「もてなす会」だったのです。

 私も20代の頃、この“宴会ルール”に恐怖を感じたものでした。宴会芸に対する先輩からの要求は厳しく、つまらなければ「一気飲み」が待っていました。

 ちなみに職場の飲み会はオフィスの傍らにある居酒屋の大広間を貸し切ることが多く、ゆえに多少の大騒ぎくらいは店も大目にみてくれたもの。

 ところが密室ゆえに、
「よし歌うぞ、後ろで踊れ!」
などと大騒ぎをして、周囲に迷惑をかける先輩社員もいて、大変でした。