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吉田恒のデータが語る為替の法則

なぜ、円高になっているのか?
円高の「主犯」は日本の銀行だ!

吉田 恒
【第94回】 2010年8月25日
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 為替相場では「円高・米ドル安」が続いています。その一因は、米国の金利低下が続いているためでしょう。

 それでは、米国金利低下の原因は何なのでしょうか?

 じつは、その1つが日本人の米国債買いのようなのです。

 つまり、「円高・米ドル安←米国の金利低下←日本人の米国債買い」という構図で、日本人が円高を起こしている「主犯」ということになりそうです。

 

「円高=米金利低下」は米国人のせいではなさそう

 米ドル/円と米国の長期金利の関係はとても相関性が高いです。実際、この間の対円での米ドル安は、米国の長期金利低下と連動してきました。

 この関係からすると、足元の円高は米国の金利低下によるものであって、円高を止めるためには、米国の金利低下を止めればよいということになりそうです。

それでは、米国の金利低下を引き起こしているのは誰でしょうか?

 米国における金利低下は、米国債の価格が上昇し、利回りが低下することによって起こりますが、それが米国人による債券買いのために起こっているのかと言えば、そうでもなさそうなのです。

 CFTC(米商品先物取引委員会)統計で投機筋の10年米国債のポジションを調べてみると、「買い」どころか、むしろ大幅な「売り」となっていました。

 このポジションでは、ネット・ショート(売り持ち)が20万枚を超えると「売られ過ぎ」となります。

 そこで上の表を見ると、8月初めにネット・ショートが20万枚に接近し、「売られ過ぎ」の状況となっていたのです。

 このCFTC統計は、ヘッジファンドなど投機筋の動向が反映されています。その意味では、8月初めまでは米国債の価格上昇・利回り低下が広がる中で、ヘッジファンドが「売り」を続けていたと考えられます。

ヘッジFの売りを吸収し、米金利低下を招いたのは?

 それでは、「プロ中のプロ」であるヘッジファンドの「売り」を吸収し、債券相場を大きく押し上げ、利回りを大きく押し下げるほど債券買いをリードしたのは誰だったのでしょうか?

 その1つが日本の銀行だったようなのです。

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吉田 恒 

立教大学文学部卒業後、自由経済社(現・T&Cフィナンシャルリサーチ)に入社。財務省、日銀のほかワシントン、ニューヨークなど内外にわたり幅広く取材活動を展開。同社代表取締役社長、T&Cホールディングス取締役歴任。緻密なデータ分析に基づき、2007年8月のサブプライムショックによる急激な円高など、何度も大相場を的中させている。2011年7月から、米国を本拠とするグローバル投資のリサーチャーズ・チーム、「マーケット エディターズ」の日本代表に就任。


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