店長ならでは!――これが悩み

【中原】ご自身が仕事をしているうえで、悩みとか課題があれば教えてください。

【B店長】やはり人材確保です。うちも少ない人数とは言われていても、お昼の忙しい時間なんかは、他のお店からアルバイトさんを融通してもらいながら十数名で働いていますが、できればもう4、5名は追加したいと思っています。ただ、人口がどんどん減っていくだろうとされている今後、どうやって人をキープしていけばいいのか……。

【A店長】店長ってマネジメントもしますが、実際にはワーカーも兼任しているわけで、結局は他の人、つまりアルバイトの皆さんに頼らざるを得ません。ですから、ワーカーとしてではなく、店長としての時間をどれだけ確保できるかがいまの自分にとっての課題ですね。人に頼らざるを得ないにしても、結局、責任を取るのは店長ですから。

【C店長】人材は本当に不足していますから、いかに辞めさせないようにするかが課題です。自分自身もまだ、アルバイトとしっかりコミュニケーションを取れていない部分もありますし。ですから、バイト一人ひとりの性格や考え方をよく知り、叱るべきところは叱って、フォローもしっかりして続けてもらうようにするのが一番でしょう。
あとは、店の雰囲気がよくなれば自然に人は集まってくるのではないかなと。店長としてどういう雰囲気のお店にするのかということが、人材不足解消にもつながる永遠の課題ですね。

(いよいよ次回、最終回!!)

聞き手:中原淳(なかはら・じゅん)
東京大学 大学総合教育研究センター 准教授。東京大学大学院 学際情報学府(兼任)。東京大学教養学部 学際情報科学科(兼任)。大阪大学博士(人間科学)。
1975年北海道旭川生まれ。東京大学教育学部卒業、大阪大学大学院 人間科学研究科、マサチューセッツ工科大学客員研究員等を経て、2006年より現職。
「大人の学びを科学する」をテーマに、企業・組織における人材開発、リーダーシップ開発について研究している。専門は経営学習論。
著書に、『会社の中はジレンマだらけ』(光文社新書)、『アクティブトランジション』(三省堂)、『職場学習論』(東京大学出版会)、『企業内人材育成入門』『研修開発入門』『ダイアローグ 対話する組織』(以上、ダイヤモンド社)など多数。