両社は今後も都市ガス販売の戦略的アライアンス協議を進めるというが、「今後、東電とニチガスが今以上の踏み込んだ関係になるのは難しい」との見方が大勢だ。17年4月の出陣を前に、修復困難な亀裂が入ってしまったわけだ。

 この顛末について東電は「回答は差し控えたい」、ニチガスは「あらゆる協議をしていたが、合弁会社について合意はしていないし、従って撤回もしていない」と話す。

首都圏ガス販売で競合か

 合弁頓挫の影響は小さくない。電気に加えてガスも自由化されたとき、最も競争が激しくなるのは東京、とりわけ23区内だ。人も企業も密集していることに加え、ガスを実際に届ける都市ガスの導管がすでに敷設されているからだ。

 23区内の都市ガス市場は東京ガスが独占している。この牙城を崩そうと、東電もニチガスも攻め込む構えだ。もし合弁会社が設立されていれば、両社で共闘して切り込めた。ところがそれが実現しなかったため、両社は首都圏の都市ガス販売について戦略の再構築を迫られている。

 このままなら、電気の販売で手を結んだ両社が、今度はガス販売で競合相手となる可能性もある。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 片田江康男)