脳科学おばあちゃん式<br />嗅覚をきたえる<br />「口うがい」と「鼻うがい」<br />―危険察知力を高める「におい」トレーニング1久保田 競
(Kisou Kubota)
1932年生まれ。医学博士、京都大学名誉教授。世界で最も権威がある脳の学会「米国神経科学会」で行った研究発表は日本人最多の100点以上にのぼり、現代日本において「脳、特に前頭前野の構造・機能」研究の権威。2011年、瑞宝中綬章受章。『ランニングと脳』『天才脳をつくる0歳教育』『あなたの脳が9割変わる!超「朝活」法』など著書多数。

 特に呼吸、吸引、嚥下(えんげ→食物を飲み下すこと)など、私の知識の限りを尽くして教え込みながら、手術を受けました。

 幼児期に強烈な体験をしている甥は、何の苦もなく鼻うがいを実行しました。
 うがい薬は使われる器官によって濃度が違います。私はなるべく薄くして、回数を増やすようにしています。

<口うがいの方法>
●ポイント――口に多く水を入れると、外にあふれたり鼻に入り込むので注意!

 1 口に含んで口腔内のゴミを除き、歯茎、歯を舌でまさぐる
 2 静かに吐きだす
 3 少しの水で顔を上げ、できるだけのどの奥でうがいをする
 4 口から息を吐く。弱く、強くを続けて吐きだす

<鼻うがいの方法>
●ポイント――ぬるま湯(体温以下)にするとよい

 1 コップに水を入れ、鼻の下に押しつけ、鼻孔に水が触れるまでコップを傾ける。片方ずつでもよい
 2 ゆっくりと吸い上げ、鼻孔で止めてパッと吐きだす
 3 鼻の下にコップを押し当て、ゆっくり鼻から呼吸して、水の出し入れをしながらうがいをする。慣れてくれば、奥まで入れ、口から出すこともできるようになる

≪競博士のひと言≫
 ウイルスや細菌などの感染から身を守るために、外から帰宅したら「手洗いとうがい」を生活習慣にすることです。
 うがいのときに、口、鼻、のどを液体ですすぎますが、これは呼吸が大きく関わる運動の学習です。
 子どものときのほうが覚えやすく、運動学習は一度覚えると忘れにくいので、早期から行いましょう。