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オバマ歴史的訪問でも「核なき世界」にほど遠い米国の現実

仲野博文 [ジャーナリスト]
2016年5月30日
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伊勢志摩サミット終了後の27日夕方、アメリカのオバマ大統領が広島市の平和記念公園を訪れた。原爆投下から約71年。現職の米大統領による被爆地訪問や献花は歴史的瞬間となり、17分に及ぶスピーチの中で「核を保有する国々は、勇気をもって恐怖の論理から逃れ、核兵器のない世界を追求しなければならない」といった言葉を広島から世界に発信した。しかし、オバマ大統領が就任当初から取り組んできた世界規模の核軍縮や核不拡散は、現在も紆余曲折の途上といえる。(取材・撮影・文/ジャーナリスト 仲野博文)

オバマ訪問で厳戒態勢の広島市内
原爆使用の是非に米では世代間ギャップも

大勢としては歓迎ムードだったが一部に原爆投下への謝罪を求めるなどの動きも

 アメリカのオバマ大統領が平和記念公園を訪れるため、27日の広島市内は朝から市内各所に多くの警察官が配置され、平和記念公園周辺では100ヵ所以上で検問も行われた。「これまでにも広島を訪れた外国の政治家はたくさんいましたが、こんなに凄い警備を目の当たりにしたのは初めてです」と苦笑しながら語るのは市内のタクシー運転手の男性。27日正午過ぎのことだ。市内ではパトロールなどを行う警察官の姿が随所で確認でき、制服から兵庫県警や熊本県警から派遣されてきたこともわかる。広島県警は11の都府県から約2000人の応援を得る形で、約4600人の警察官を動員して、オバマ大統領の到着に備えた。

 核兵器を実戦使用した唯一の国であるアメリカの現職大統領による初の広島訪問は、オバマ大統領のノーベル平和賞受賞の契機となった2009年4月の「プラハ演説」の流れもあり、数時間の広島滞在で何を行い、どのような言葉を発するのかに注目が集まった。広島市の平和記念公園周辺には27日の朝から大勢の人が詰めかけ、中には外国メディアの関係者も少なくなく、伊勢志摩サミットの取材で来日したドイツ公共放送の女性記者は筆者に対し「どのような演説が行われるのかはわかりませんが、現職の米大統領による広島訪問そのものが歴史的な瞬間になるでしょう」と語ってくれた。

 27日正午までは公園に入場規制がかけられなかったため、多くの人が平和記念公園を訪れていた。広島市民に加えて、海外からの観光客や、メディアの関係者も少なくない。オバマ大統領を一目見ようと公園を訪れたというアメリカ人男性に話を聞いた。

 「とてつもなく悲劇的なことですね。個人的には開発した原子爆弾が本当に使えるのかを確認するための実験的な意味合いもあったのではないかと思いますが、人それぞれで見方は異なると思います。どのような理由であれ、原爆の使用は人道に対する犯罪だったと思います」

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仲野博文 [ジャーナリスト]

甲南大学卒業、米エマーソン大学でジャーナリズムの修士号を取得。ワシントンDCで日本の報道機関に勤務後、フリーに転身。2007年冬まで、日本のメディアに向けてアメリカの様々な情報を発信する。08年より東京を拠点にジャーナリストとしての活動を開始。アメリカや西ヨーロッパの軍事・犯罪・人種問題を得意とする。ツイッター:twitter.com/hirofuminakano

 


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