1947年(昭和22年)に、日本橋区と京橋区が統合されて生まれた中央区。旧両区にまたがる八重洲を除き、旧日本橋区のエリアは今も地名に「日本橋」がつく。日本橋室町、日本橋人形町、日本橋横山町……老舗店が軒を並べる姿が目に浮かぶ。

 かたや旧京橋区には、日本一の目抜き通りである銀座、食文化の拠点である築地、もんじゃ焼の月島と個性ある街が続く。その活気は400年の歴史を誇る。何しろ区名を選ぶとき、「大江戸区」が候補にあがった土地柄だ。

東京の中央は「日本の実業の中央」
事業所数や小売業販売額は都内トップ級!

 23区の中央にあるから中央区。いや、名前だけではない。昼夜間人口比率は千代田区に次いで第2位だ。事業所数は港区に次ぎ、従業者数は港、千代田、中央の順ながらトップ3に並ぶ。名実ともに東京の、日本の中央として、都心3区の一画を担う。

 そんな中でも中央区は、日々繰り広げられる実業の中心地。わが国の金融取引の中枢である兜町の正しい地名は、日本橋兜町。銀座、日本橋と言えば、商業の一大中心地だ。

中央区――ヤングアダルト層の取り込みで人口減少を克服した「チャレンジの街」

 小売業年間販売額は23区最大、大型店の年間販売額も新宿区に次ぐ。さらに、大型店の販売効率(売場面積当たりの販売額)は、新宿区を抜きトップ。老舗パワーは健在だ。

 日本橋の卸問屋街と築地の市場に代表される卸売業も、負けてはいない。年間販売額こそ大商社の本社が集中する千代田区に首位を譲るが、事業所の数は23区で最も多い。また、銀座があるからバー・キャバレーが、築地があるからすし屋がトップといのもうなずけよう。