私はオムツ交換の名人

 すると、「よかった、おばあちゃん、きてくれた」と私の顔を見るなり、お嫁さんに言われます。

私はオムツ交換の名人です。

「うんち、もうないの、まだありますか?」

 そう言いながら、赤ちゃんのお尻の穴を軽く拭きます。
 そして、排便がもっと続くのか、続かないのかを促します。

 最後は「気持ちよかったね。スッキリしたね」で終了です。
 私にも、うんちはくさいのです。

うんちは一大事業!<br />排便時の表情を観察せよ久保田 競
(Kisou Kubota)
1932年生まれ。医学博士、京都大学名誉教授。世界で最も権威がある脳の学会「米国神経科学会」で行った研究発表は日本人最多の100点以上にのぼり、現代日本において「脳、特に前頭前野の構造・機能」研究の権威。2011年、瑞宝中綬章受章。『ランニングと脳』『天才脳をつくる0歳教育』『あなたの脳が9割変わる!超「朝活」法』など著書多数。

 うんちの色やにおい、感触は、それまでの経験でイヤなものの中に分類しがちです。

 とらえ方に、その人の生活史が窺えます。
 排便や排泄物はイヤなものでも、子どもが育つ過程で大事なことだと言い聞かせて、温かく、やさしくわが子に接しましょう。

 排便の行為自体は気持ちいいものですが、排泄物はいち早く始末しないと、みんなに迷惑をかけることを教え込むために、お母さんはにおいも形態も素直に受け止めることが大切です。

 そして、かわいいわが子を便秘がちにしないためにも、「排便は気持ちよく」をお子さんに条件づけてあげてください。
生き物にとって、排便は一大事業だからです。

≪競博士のひと言≫
 食べ物は、胃腸で消化、吸収された後、直腸で腸内細菌が働いて発酵、腐敗し、便として排泄されます。
 便の色、形、においは、食べ物と赤ちゃんの健康状態で変わってきます。
 不快なにおいがしても、病的なものかどうか、客観的に判断しなければなりません。
 便を汚いものと思うかどうかは個人が決めることで、便の後始末をしてあげることが大事です。
 哺乳類には、自分の子どもの肛門をなめて、便を始末する動物もいます。

久保田カヨ子(Kayoko Kubota)
1932年、大阪生まれ。
脳科学の権威である京都大学名誉教授・久保田競氏の妻で2人の息子の母。約30年前に、日本における伝統的な母子相伝の育児法を見直しながら、自身がアメリカ在住時と日本で実践してきた出産・育児経験をもとに、夫・競氏の脳科学理論に裏づけされた、“0歳から働きかける”久保田式育児法〈クボタメソッド〉を確立。この20年で3000人以上の赤ちゃんの脳を活性化させてきた。テレビなどで「脳科学おばあちゃん」として有名。累計36万部突破のシリーズ『0歳からみるみる賢くなる55の心得』『カヨ子ばあちゃん73の言葉』『カヨ子ばあちゃんの男の子の育て方』『カヨ子ばあちゃんのうちの子さえ賢ければいいんです。』『赤ちゃん教育──頭のいい子は歩くまでに決まる』『カヨ子ばあちゃんの子育て日めくり』などベスト&ロングセラー多数。ズバッとした物言いのなかに、温かく頼りがいのあるアドバイスが好評。
【脳研工房HP】
http://www.umanma.co.jp/

 

久保田 競(Kisou Kubota)
京都大学名誉教授、医学博士。世界で最も権威がある脳の学会「米国神経科学会」で行った研究発表は、日本人最多の100点以上にのぼり、現代日本において「脳、特に前頭前野の構造・機能」研究の権威。2011年、瑞宝中綬章受章。1932年、大阪生まれ。
朝4時半起きで仕事をする「朝活」を50年以上実践。ジョギングは30年以上、毎日続けている。著書に、『新版 赤ちゃんの脳を育む本』『2~3才からの脳を育む本』『天才脳をつくる0歳教育』『天才脳を育てる1歳教育』『天才脳を伸ばす2歳教育』『天才脳をきたえる3・4・5歳教育』(以上、大和書房)、『あなたの脳が9割変わる! 超「朝活」法』(ダイヤモンド社)などベスト&ロングセラー多数。