「豆腐は和食」はもう古い!?
スイーツのような豆腐が女子に大人気

 3月11日にマルエツで先行販売が開始された「とうふで、グラノーラ。」は、豆腐メーカーでありながら、豆腐の固定概念を覆す製品を世に出し続けている相模屋食料の新製品。名前のとおり、カルビーのシリアル「フルグラ」に、豆腐をかけて食べるという新発想の商品だ。

ザクとうふに続き「フルグラ×とうふ」で相模屋が挑む新境地<br />グラノーラに豆腐をかけて食べる「とうふで、グラノーラ。」を発売した相模屋食料。木綿豆腐や絹豆腐といった伝統的豆腐の味や品質向上で培った技術力があるからこそ、新しいコンセプトの豆腐を開発できる

 シリアルといえば牛乳。さらに近年はヨーグルトがお伴に選ばれることが多い。今回、相模屋が提案した新たなお伴である豆腐は、単なる豆腐とはまったく違い、おぼろ豆腐のような食感だが、濃厚な豆乳の味がする。なんともクリーミーで、フルグラの甘みがよく合う。

 ローカロリーでタンパク質が豊富な大豆食品は今や、日本のみならず世界中で見直されている。豆腐や豆乳も若い女性が注目する食材となっているが、「お客様におとうふを使ったメニューをお聞きすると、せいぜい冷や奴やみそ汁、麻婆豆腐、肉豆腐あたりしか出てこない」(鳥越淳司・相模屋食料社長)。

 和食に欠かせない食材ではあるものの、意外にもメニューの広がりの乏しい商品なのだ。どのメーカーが作っても、スーパーに行けば似たような豆腐ばかり。差別化が難しい商品でもある。20年ほど前には5万軒を超えていた豆腐屋は、今では8000軒を切るまでに激減。後継者不足から廃業を選択する経営者が後を絶たないという。

 そんな中にあって、相模屋は2015年度に売上高200億円を突破。過去10年ほどで売上高を5倍以上に伸ばした。近年は、斬新なデザインがウケて1ヵ月半で100万パックの販売を記録したお化け商品「ザクとうふ」や、今回のフルグラとのコラボの布石ともなったスイーツのような豆腐「ナチュラルとうふ」など、新商品を次々と世に送り出してきた。