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「爆買いするなら国内で」、中国が海南島を免税天国に

ロイター
2016年6月1日
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国内の消費や観光の活性化を狙う中国政府は、ミラノやソウルで「爆買い」する国民に中国国内で散財してもらうよう知恵を絞っている。写真は、「免税買い物天国」の海南島でショッピングを楽しむ中国人たち。11日撮影(2016年 ロイター/Farah Master)

[三亜市(中国) 30日 ロイター] - 国内の消費や観光の活性化を狙う中国政府は、ミラノやソウルで「爆買い」する国民に中国国内で散財してもらうよう知恵を絞っている。そこで誕生したのが、中国の最南端にある海南島の「免税買い物天国」だ。

 海南島では2月、免税品の買い物に関する規制が緩和された。世界最大のデューティーフリーショッピングセンターを擁する中国国旅(CITS)などの企業は、これを追い風に業績を伸ばしており、HNAグループでは売上高が160%急増した。

 中国では高級品の売り上げが昨年2%減少した。専門家は、官僚の汚職に対する取り締まり強化や経済成長率の鈍化が原因だと指摘する。

 一方、ベイン・コンサルタンシーの試算によると、中国人はパリやロンドン、東京など海外都市で高級品の80%近くを購入している。

 HSBCのアナリスト、エルワン・ランブール氏は「バーバリーであれリシュモンであれ、多くのブランドは高級品の将来が中国人、それも中国国内の中国人にかかっていることを認識している」と述べた。

免税品買い物の規制緩和

 海南島では2011年以降、観光業促進に向けた試験プログラムの下で、免税店は中国本土よりも最大で30%安く商品を販売している。

 これまでの規制によると、免税品の買い物は年2回、毎回8000元(1220ドル)が限度とされていた。それが規制緩和の結果、今年2月1日からは、年間の購入額が合計1万6000元以内であれば、買い物の回数に制限はなくなった。また、免税店が商品をオンラインで販売し、旅行者が空港で商品を受け取るという形態も可能になった。

 海南島の三亜市では、中国国旅が2014年、中国初の免税ショッピングセンターを開店。サッカー場9つ分とされる巨大なセンターでは、バーバリー・グループやフィナンシエール・リシュモン<CFR.S>など300を超えるブランドに加えて、粉ミルクなども扱う。

 ただ、ショッピングセンターでハンドバッグを物色していた20代のある買い物客は「すごく安いけど、品揃えには難がある」と話した。

ホテル建設ラッシュ

 海南島は気候が温暖で60以上のビーチもあることから、ディベロッパーの関心も高い。同島南端に位置する三亜市には、建設中のものも含めて、数多くの高級リゾートが集まっている。シンガポールの3倍の面積を持つ三亜市には1000を超えるホテルがあり、海棠湾(ハイタインベイ)には今後数年以内に30のホテルがオープンする見通し。

 その1つが、中国のコングロマリットの復星国際と、南アのカジノリゾート「サン・シティ」のオーナーであるソル・カーズナー氏が推進する17億ドル規模の「アランティス」プロジェクトだ。

 復星国際はロイターの取材に電子メールで回答し、「復星は三亜市の今後の発展について楽観的に考えている」と強調した。

売れ筋は化粧品

 ただ、中国人の多くは最近、より手の届く商品にカネを使う傾向にあるようだ。ある日の午後、中国国旅のショッピングセンターでは、シャネル、エスティローダー、ロレアルの化粧品店に長い行列ができていたが、高級腕時計店では閑古鳥が鳴いていた。

 CLSAのアナリスト、アーロン・フィッシャー氏は、免税店がまだ限られるため、高級品の国内消費が急増する可能性は低いと話す。

 同氏は、価格だけが海外で買い物をする理由ではないと指摘。その高級品が生まれた国で買うことで、より高い満足度が得られるとの考えを示した。

(Farah Master記者 翻訳:吉川彩 編集:橋本俊樹)

 

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